デフがない! チェーン駆動の最終モデル|ホンダ S600 vol.3

       

電気のスイッチを入れるがごとく始動するエンジン


1965年式 ホンダS600(AS285)
 

 リアを下から眺めると、タイヤの内側にアルミのブロックが接合されている。これが、リアのチェーン駆動システムだ。

 リアアクスル、デフなど、本来クルマのリアタイヤの間にある機構がない。おかげで、ガソリンタンクを前方に設置でき、トランクルームのスペースを確保することに貢献している。


リアを駆動させるためのチェーン機構が見える。トランクルームなどのスペースを確保するのに貢献している。



トランクルームはボディサイズの割に広々としている。タイヤハウスの間にスペアタイヤの収納場所があり、スペースが有効に使われているのが分かる。




 しっかりと整備されたクルマであれば、それほどシビアにならなくとも、スポーツ走行を楽しめるホンダSシリーズ。しかし、この整備がされているか否かの判断が難しい。今回の個体はガレージイワサによってレストアされた。

 電気のスイッチを入れるがごとく始動するエンジン。アクセルワークに合わせて、気持ちよく吹け上がるエンジン。リアから聞こえてくる軽快なサウンド。どれをとっても心地よいドライビングフィールを提供してくれる。

 フロントフード、トランクリッドなど、オリジナルのパーツを組み込み、ドアの開閉もスムーズだ。ストレスを感じることのない仕上がりになっている。現代によみがえったS600。その魅力を存分に味わえるクルマであった。




ホイールはRSワタナベを履く。ホンダSシリーズとは相性のいいデザイン。



■1965年式 ホンダS600(AS285)

●全長3300㎜
●全幅1430㎜
●全高1200㎜
●ホイールベース2000㎜
●トレッド前/後1150/1128㎜
●最低地上高160㎜
●室内長840㎜
●室内幅1195㎜
●室内高935㎜
●車両重量720㎏
●乗車定員2名
●最高速度145㎞/h
●登坂能力sinθ0.33
●最小回転半径4.3m
●エンジン型式AS285E型
●エンジン種類水冷直列4気筒DOHC
●総排気量606㏄
●ボア×ストローク54.5×65.0㎜
●圧縮比9.5:1
●最高出力57ps/8500rpm
●最大トルク5.2㎏-m/5500rpm
●トランスミッション型式前進4段後退1段2速以上シンクロメッシュ
●変速比1速3.290/2速2.190/3速1.430/4速1.091/後退3.89
●最終減速比5.88
●燃料タンク容量25L
●ステアリング形式ラックアンドピニオン(15.1)
●サスペンション前/後ダブルウイッシュボーン・トーションバー/トレーリングアーム・コイル
●ブレーキ前後ともリーディングトレーリング
●タイヤ前後とも5.20-13-4PR
●発売当時価格50.9万円


ノスタルジックヒーロー vol.195 2019年10月号掲載(記事中の内容はすべて掲載時のものです)



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text:Keishi Watanabe/渡辺圭史 photo: Akio Hirano/平野 陽

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