ボンドカーの候補は2000GTだけじゃなかった!|トヨタ 2000GT ボンドカー 2

ボンドカーの候補には、トヨタ2000GTのほか、プリンスR380やコスモスポーツが上がり、その中から、栄誉を勝ち取ったのがトヨタ2000GTだ。

 交渉の窓口は、トヨタワークス在籍で、ファッションモデルとしても知られる福沢幸雄だった。

 日本グランプリを前に契約を結んだが、撮影までに解決しなければならない難問が山積していた。トヨタ2000GTは発売前のプロトタイプだったので、提供できるクルマがなかった。
 また、ブロッコリーから、「ジェームス・ボンドの顔がよく見えるように、フルオープンに改造してほしい」との要望が出された。

 剛性不足が心配だったため、トヨタ側はルーフ部分だけを外せるタルガルーフを提案したが、ブロッコリーは納得しなかったため、最終的にフルオープンの案を飲んでいる。

 オープン化への改造を手がけたのは、レース車両や特殊車両を造り慣れているトヨペット・サービスセンターの綱島工場だ。



パワーユニットは、トヨタとヤマハが共同開発した排気量1988ccの3M型直列6気筒DOHCを搭載。半球形燃焼室、クロスフロー・レイアウトで、量産モデルは3基のツインチョーク・ソレックス40PHHが装着される。


ボンドカーは、チューンナップバージョンのファンネル仕様のウエーバー45DCOEを3連装する。性能的にも量産モデルの150ps/18.0kg-mを大きく上まわっていたと思われる。


6番シリンダー部分のオイルフィラーキャップは、スピードトライアル仕様と同じ開閉式のキャップが装着されている。


 量産モデルに限りなく近い2台の試作車が提供され、1台は日本での撮影用にオープンに改造。もう1台は、海外でのロケやショーへの出品用に同様の改造を施している。時間がなかったため、精密な図面をあきらめ、ほとんど現物合わせで製作された。


東京モーターショーに出品したプロトタイプに装着されていたスピンナーナット式のワイヤーホイールは、ボンドカーにも採用された。


ノスタルジックヒーロー vol.195 2019年10月号掲載(記事中の内容はすべて掲載時のものです)

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text:Hideaki Kataoka/片岡英明 Isao Yatsui/谷井 功

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