思ったより奥深いスロットカーの世界 『Nosweb.jp Legends Slotcar Race』 新人編集部員の見た大会模様

 1970年代に活躍したレーシングドライバーが当時の車両を再現したスロットカーでレースをする、レジェンドドライバー・スロットカーレース大会が、2/8(土)、横浜のバン・プロジェクトで開催された。13回目を迎えた今回は、本サイト「Nosweb.jp」がメインスポンサーを務め、大会名も『Nosweb.jp Legends Slotcar Race』となり、新たなスタートを切ることとなった。

参加したレジェンドドライバーは以下の通り(予選順)。

関谷 正徳
鈴木 恵一
和田 孝夫
鮒子田 寛
柳田 春人
長谷見 昌弘
寺田 陽次郎
戸谷 千代三
見崎 清志
多賀 弘明
舘 信秀
高橋 晴邦
津々見 友彦
片桐 昌夫
桑島 正美
長坂 尚樹
の各選手と、ゲストドライバーとして参加したJ Sportsの竹内 紫麻選手を加わえ、合計17名。 

錚々たるメンバーが集まったのに加え、MCはスーパーフォーミュラやスーパーGTなどトップカテゴリーのレース実況でおなじみのピエール北川さん。
会場は、すごい盛り上がりを見せた。


そんなNosweb.jp Legends Slotcar Raceに編集部新人、「直」が参加したのでWebらしく軽くその様子をお伝えしよう。



会場についてまず感じたのが熱気。競技会場となったのは、スロットカーの世界では名の知れた老舗のバン・プロジェクト。神奈川県横浜市にあるバンプロが、この日は異様な熱気に包まれた。なにしろ伝説のドライバーを一目見ようと会場はご覧のようにほぼ満員。

タイヤの焦げる香りやオイルの匂いはしなかったものの、コースサイドにはモーターが焼ける香りが漂っており、本物のレース大会のような雰囲気があった。



練習開始直後、会場を歩いているとレジェンド同士の会話が飛び込んできた。

「この調子だと予選タイムは9秒ぐらいで通過しないと決勝で速い人と当たって不利だ」

予選の段階から決勝を見据えての発言。スロットカーといえど、レースである以上、絶対に負けたくないというレジェンドたちの真剣な思いがひしひしと伝わってきた。


また、スロットカーは想像以上に速いので、コースはだいたい10秒程度で一周でき、速い人だと8秒で一周を回る。
短い時間なのでコース上での駆け引きなどはないが、時間内に何周できるかで順位が決まるので、決勝では僅差の争いとなり、一度のコースアウトが大きく順位を左右することとなるのだ。
そのため、レジェンドレーサーたちはコースとマシンの感触を掴むべく、わずかな練習時間も真剣にコントローラーを握っていた。


スロットカーはアクセルワークとタイヤが勝負を左右する。大げさに聞こえるかもしれないが、スロットカーはタイヤにオイルを散布することでグリップを得ており、ホコリが付着するとリアが滑るようになる。

特に今回のように大勢が集まるイベントは、ホコリが舞うので路面状況は刻一刻変化していく。
その上、結構な速度の出るスロットカーは意外なほどあっけなくコースアウトしていく。いかにタイヤがホコリを吸着しているかを考えながらブレーキを見極め、速い速度でコースアウトせずコーナーを抜けるかが勝負の分かれ目となるのだ。

正直なところここまで奥深くシビアなものだと思っていなかったし、レジェンドレーサーがここまで真剣に勝負に臨んでいるとも思っていなかったので、決勝戦ではラップボードに釘付けになってしまったのだが……。
その微妙なバランスの面白さがうまく伝わっているだろうか?


スロットカーの奥深さとレジェンドレーサー達の真剣さをお伝えしてきたが、真剣勝負のガチガチのイベントではない。
レース中は本気になっているレジェンドもレースが終われば、仲間で集まり思い出話に花を咲かせる。


また、会場となったバン・プロジェクトではスロットカーを使って当時のレースを再現した展示コーナーや、模型クラブの奥様方が、昼食として手料理のすいとんを振る舞うなど、和気あいあいとした空気に包まれていた。

photo:Hirokatsu Watabe/渡部祥勝

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