熟成が進んだ後期|憧れだったシルビアS13 Q's Vol.3

軽量化で走りを洗練させた小型FRスポーツ 小型FR車としての走りを洗練させるため、思い切ってボディを軽量化。

さらにリアの挙動を穏やかに扱いやすいものとするべく新開発のマルチリンクサスペンションを採用。

エンジンは従来から引き継いだCA18型だが、ターボ仕様ではインタークーラーを装備して、最高出力を先代の145psから一気に30psアップの175psをマーク。

NA仕様ですら135psとなり、スペシャリティというよりスポーツカーにふさわしい走行性能を獲得していたといえる。


 グレード展開も新鮮で、ベース車的なJ’s、量販向けNA仕様のQ’s、ターボのK’sと3種類のみ。不必要なほどグレードが多かった1980年代的なクルマの売り方に一石を投じた。

さらに2カ月遅れてK’sのAT仕様をベースにしたコンバーチブルも追加。オーテック・ジャパンが製作を担当し、ロールバーもなくTバールーフなどとは別次元の開放感を得ていた。


 また、スカイラインでも採用された4輪操舵システムHICAS-Ⅱや、ABSシステムがオプションで装着可能。

走り、デザイン、戦略すべてに隙がなく、88〜89日本カー・オブ・ザ・イヤーの栄冠にも輝いた。だが、その後はAE86以来の峠マシンとなり、今では残存数が減り続けてもいる。



発売時にはなかった黒いボディカラーは、その後追加されたスーパーブラック。ワックスによる細かい磨き傷もなく、1オーナー走行1万5000kmという数字に納得。



純正アルミホイールには、当時ライン装着だったポテンザRE71がそのまま残されていた。



シートはR31から採用が始まったモノフォルムバケットシート。前期型のフロントはヘッドレスト一体式だったが後期型では別体となる。



シート表皮もマイナーチェンジで素材が変更されている。リアシートも分割され乗車定員は4名。

ハチマルヒーローvol.12 2009年 12月号 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Hidehiro Tanaka/田中秀宏

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