俺のスカイライン GT-Rとの出合いが人生をも変えた 2

ケンメリハードトップは、国産車屈指の美しさ。フロントにはハコスカ用のニスモ製レーススプリングを組み込み-50mm、リアはハコスカ用カヤバ製ダンパーを流用して-40mm、それぞれ車高を下げている。

香取孝さんとケンメリGT-Rの出合いは、「ノスタルジックヒーロー」誌トークルームの記事だった。

 ケンメリGT-Rに関するエピソードが掲載され、そして翌年の秋、今度はスワップミートに実車が売り出されたのだ。「記事を見た何十人もの人から電話があり、現車確認にもたくさんの人が訪れたそうです。でも前のオーナーさんは売る決心がつかず、全部の人たちに断りの連絡を入れていました。ええ、私もその中の一人でした。でも現車を見にうかがった時に、私はオーナーの奥さんとたまたま歌手のさだまさしさんの話で盛り上がりました。奥さんも熱心なファンだったんです」

GT-Rロゴ

 香取さんは当時、70年式のPGC10ハコスカ4ドアGT-Rに乗っていたが、ケンメリGT-Rも欲しくて、関東で売りに出されていた10 台ほどを見て回っていた。

 しかし気に入ったクルマが見つからず、気持ちが萎え始めていた時に、本誌スワップミートのケンメリGT-Rを見つけたのだ。現車確認からしばらくたったある日、オーナーの奥さんから電話があり「ケンメリGT-Rは香取さんにお売りします」と伝えられた。さらに「さだまさしさんを好きな人に、悪い人はいませんからね」のひと言が添えられたのだった。

 意外な展開で香取さんは赤い糸をたぐり寄せ、ずっと探していたケンメリGT-Rを手に入れた。現車確認の日から、時間を約1年さかのぼる。これも不思議なことなのだが、前の年の10月。栃木県塩原にある木の葉化石園の駐車場で、突然降った雪で立ち往生していた白いケンメリGT-Rを、香取さんは偶然目撃していた。その時にオーナーと話をする機会はなかったが、後にこのエピソードを伝えたところ、間違いなくこのクルマだということが分かった。2度香取さんの目の前に現れ、いったん切れた糸が再びつながった。

 香取さんは、このケンメリGT-Rを唯一無二の存在であるといい、何台も所有する愛車の中で一番好きだと言い切るほど、大切に思っているクルマなのだ。「私は別の仕事も持っているのですが、ケンメリGT-R購入をきっかけに、旧車全般を取り扱う会社を始めました。このクルマのおかげで今の自分があり、とても感謝しています。でもうちの嫁は『私よりケンメリのほうを大切にしている』と言ってますけどね(苦笑)」 赤い糸は、たまにこんがらがる。


スカイラインロゴ
フェンダーには赤バッジのGTエンブレムと欧文小文字交じりのスカイライン。
Rエンブレム
右のリアクオーターにあるフューエルカバーは、GT-R専用品。ただし純正補用品を装着。

タイヤ・ホイール
今回の撮影に際して、オーナーが手持ちのお宝パーツを装着してくれた。タイヤはYHアドバンHF-Dで、フロント、リアともにサイズは225/60R14。ホイールは日産純正レース用マグホイールで、フロント8J×14、リア9J×14となっている。もちろんナットも専用品だ。

補修パーツ
ボディ右側に装着されているフューエルキャップ。左がオリジナルで、Rの書体の違いから「美人足」とか「足長美人」などと呼ばれている。右が補用品として出されていた純正パーツ。


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掲載:ノスタルジックヒーロー 2013年2月号Vol.155(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Isao Yatsui/谷井功

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