20年の歳月を経て復活した美麗ボディのインジェクションハコスカ 1

極上なレストアを施したスペシャルな旧車を所有することは、旧車ファンにとっては永遠の憧れだ。このハコスカは、まさにそんな1台になる予定だった。

 レストアプロジェクトが開始されたのは20年前。有名なボディショップに持ち込まれ、贅沢なレストアが開始された。ボンネットやトランクは、「当たり」が出るまで2枚も3枚も交換。当時はまだ新品でパーツが出たとはいえ、このハコスカはそういうレベルでのボディメイクが行われたのだ。しかしボディに色が入り、いよいよというところで事件が起きる。ボディショップが火災に見舞われたのだ。幸いボディその物に大きな影響はなかったが、レストア用に集められた部品はいくつか焼失してしまい、レストアプロジェクト自体も頓挫してしまう。

 その後このハコスカはエンジンレス状態で別の場所に引き上げられ、レストアが再開されることもなく長い眠りにつくこととなる。そんな中、程度の良いハコスカを探していたある人物が、「スゴいボディのハコスカがある」という情報を元に、このクルマにたどり着く。レストアしたのは20年近く前だが、レストア技術が高く、保管状態がよかったので、ボディはうわさ通りに美しいものだった。

 20年ぶりの作業再開。ボディは完璧に仕上がっているが、エンジンは載っていない。そこでオーナーは知り合いのショップにエンジンの製作とクルマの仕上げを頼むことにした。請け負ったのは、U‐CHIとドゥーキーズ。L型メカインジェクションのエンジンは、そうした作業を得意とするドゥーキーズ込谷勇樹さんが担当し、同じ場所で溶接などのメタルワークをこなすU‐CHI内倉利幸さんが、細かい仕上げを担当した。


エンジンベイ自体が美しくレストアされていることもあり、ドゥーキーズ込谷勇樹さんのファブリケーションセンスがよりさえ渡って見えるエンジンルーム。



ホイールは定番のRSワタナベ8スポーク。ブロンズカラーが似合っている。



ブレーキはフロントにオリジナルのブレンボキットを装着。リアはS130Z用ディスクブレーキを流用する。



バッテリーはトランクに移設済み。燃料ポンプはインタンク式に交換された。


Nostalgic SPEED vol.002 2013年 11月号 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義 photo:AKIO HIRANO/平野陽

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