ヤマハ発動機をパートナーに|トヨタ|日本ツインカム発展史の中で 2

2000GTと1600GT


ホンダ、トヨタ車のDOHC化(トヨタ編)

DOHCを高性能プレミアムブランドへと引き上げたのがトヨタだ。

トヨタは高い技術力を身につけていることをアピールするために、積極的にスポーツモデルにDOHCエンジンを搭載し、送り出した。開発のパートナーに選んだのは、2輪ですでに世界的に名を知られていたヤマハ発動機だ。

 記念すべき最初の作品は、トヨタ2000GTに積まれてデビューした日本初の直列6気筒DOHC、排気量1988ccの3M型である。SOHCのM型をDOHC化したエンジンで、高性能なだけでなく直列6気筒によってプレミアム感を強くアピールした。ソレックス40PHHキャブを3連装して150ps/6600rpmを発生。5速マニュアルを駆使しての最高速度は驚異的な220km/hだ。

 OHVやSOHCのベースエンジンのヘッドまわりを大幅に改造し、DOHC化することによって高性能を手に入れる。これがトヨタDOHCの特徴だ。DOHCエンジンは主に「GT」に積まれ、高性能を誇示した。

 トヨタ2000GTを発売した直後に送り出したのが1587ccの9R型DOHCで、これはトヨタ1600GTに搭載している。ベースエンジンはOHVの4R型だ。第3弾は1858ccの10R型(後に8R‐G型に名称変更)で、68年秋にコロナ・マークIIのフラッグシップ、1900GSSに積まれてデビューした。


トヨタ自動車製3M型直列6気筒DOHCエンジン。トヨタ初のDOHCエンジン。

 70年代以降は、DOHCエンジンに「G」の称号を与えている。その最初の作品は、T型直列4気筒OHVをベースに開発され、70年秋に鮮烈なデビューを飾った2T-G型DOHCだ。最初からDOHC化を意識していたエンジンで、セリカ1600GTとカリーナ1600GTに搭載された。その後、レビン/トレノなどに積まれ、名機の名をほしいままにする。

 72年に8R-G型の後継エンジンとして登場したのが1968ccの18R‐G型直列4気筒DOHCだ。2代目マークIIの2000GSSに搭載されて世に出た。その後、セリカLB2000GTやコロナ2000GTにも積まれている。排ガス規制にもめげず、生き残ったDOHCエンジンだ。

ノスタルジックヒーロー  vol.146 2011年 08月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

TEXT : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明

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