次世代への懸け橋となった117クーペ  いすゞ 117クーペ 2000 XE-L 1

ジウジアーロのデザインで知られる117クーペは68年にハンドメイドが発売開始。エンジンは、いすゞ初の量産DOHCであるG161W型の1584cc。DOHCを表すWが型式に入る。

 70年には、日本初の電子制御インジェクション搭載モデルが登場。73年の中期型と呼ばれる量産型では、プレス成型が始まり、エンジンもG180型の1817ccに統一。生産性の向上を目指した。その際、電子制御インジェクション搭載DOHCのXE、SUツインキャブレター搭載DOCH車のXG、ツインキャブレター搭載SOHCのXC、シングルキャブレター搭載SOHCのXTというラインナップに整理。77年にはマイナーチェンジが行われ角型4灯に。78年にはエンジンがG200型となり1949ccに。ラインナップはそのまま踏襲された。

 マイナーチェンジが行われた当時、SAE規格の角型4灯ヘッドランプに変わった117クーペに対して賛否両論あったという記事が多い。だが、丸型から角型への変化はマイナーチェンジやモデルチェンジにおいて、常套手段であったため、当時を知る人は「比較的すんなりと受け入れられた」と話す。

 確かに初期型のハンドメイドは人気がある。そして、ひとつとして同じカタチの無いオリジナリティある個体であることも魅力だ。しかし、それを冷静に見た場合、工業製品として未完成であることも、また事実だ。


角型4灯のヘッドライト。丸型に比べて明るく、規格製品なので、交換費用などの負担は小さい。



78年の53年規制適合モデル以降はスターシリーズと呼ばれ、エンブレムにも☆マークが2つ付くようになった。


リアサイドバンパー上に位置するエンブレム一体型のウインカー。このような細かいところのデザインが他の国産には無い117クーペの真骨頂。



フジツボとイーグルISUZU SPORTSが共同開発したPA96専用ステンレスマフラー。テールサイレンサー・ハンドメイド純正タイプの2本出し。φ42.7㎜でエンドはフレア加工。



タイヤは前後とも195/55R15とし、標準サイズから2インチアップ。ホイールはエンケイのケントワイヤー。実はナットのピッチが合わず、ハブボルトを全部抜き替えて装着。

ノスタルジックヒーロー  vol.146 2011年 08月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:INOUE MAKOTO/井上 誠

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