旧車にエアサス投入! スタンス系 イマドキなS31 フェアレディZ 1

現在カスタムシーンを騒がせているのが、「スタンス」というムーブメントだ。

これは車高の低さやタイヤ/ホイールのツライチ感にこだわったカスタムジャンルで、アメリカの日本車(JDM)好きたちが日本のシャコタン・カルチャーをトレースして発生させた文化でもある。

「スタンス」は走りにこだわったホンダ系コンパクトカーから、ビッグセダンのVIPカーまで、JDMなクルマがその中心にあるのだが、実は旧車もまた、この「スタンス」においてひとつのポジションを築いている。JDM好きにとって日本の旧車はクールなクルマであり、これをシビックやインテグラと同じノリでイジって乗ることは、彼らにとってはクールなことなのだ。

 このZのオーナー門脇一幸さんは、インターネットを介してそんなアメリカの空気感を感じていた一人だ。そしてある日、とあるサイトで衝撃的な260Zを発見する。その車高っぷりはほぼノーサス状態。足元にはCCWホイールを履き、あり得ない車高のままフリーウェイを走っている写真も載っていた。「こんなZを日本で造りたい」。門脇さんのそんな思いからプロジェクトはスタートした。

 作業を担当したのは、旧車へのエンジンスワップ作業に定評のあるダディー・モーターワークス。代表の尾頭邦宏さん自身、アメリカのカルチャーに明るいため、このZの「ノリ」はすぐに伝わった。ネットで見た260Zはバネサスで極限の車高を実現していたが、こちらはふだん使いを考えてエアサスの導入を決定。ユニバーサルエアの汎用キットを使い、恐らく初の事例と思われるS31Zへのエアサス化を完成させた。

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インテリアは基本ノーマルのまま。



シフトノブはエレメントのスケボー用ウィールを流用して装着。何気ないアイデアだがカッコよさは格別。



ホイールはワーク・マイスターCR15インチ。フロントが9J、リアが10Jというサイズ。



フロントブレーキはS14用キャリパーにNSX用のリアローターを組み合わせてある。


Nostalgic SPEED vol.002 2013年 11月号 (記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:TAKAYOSHI SUZUKI/鈴木貴義 photo:AKIO HIRANO/平野陽

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