学生時代にその後ろ姿を見たときから心に決めていた! 三菱ギャラン GTO 2000 SL-5 1

初代ギャランGTO最終型となる76年式ギャランGTO 2000 SL-5。最終型では上位モデルのGSRと比べて、エンジン出力が違う程度だった。リアサイドマーカー部分に追加されたオートアンテナは、前オーナーによって装着された。ホイールはメーカー純正オプションのアルミホイール。オリジナリティーの高い状態で、当時の姿を色濃く残している。

ギャランGTOはオーナーの小黒明実さんにとって思い出のクルマだった。学生時代にその後ろ姿を見たときから、ギャランGTOに乗ることを心に決めていたという。社会人になって、最初に購入したのがギャランGTO2000SL。そして、すぐにギャランGTO2000GSRを手に入れた。

 時代は70年代初頭、魅力的なクルマが街中にあふれていた。しばらくギャランGTOを楽しむも、その誘惑は小黒さんにも忍び寄ってきた。

「オーバーフェンダーのフェアレディ240Zに乗りたくなりまして、GTOを手放してしまいました。当時、フェアレディ240ZGはプレミアが付いて、新車価格を超える210万円ぐらいまであがっていました」

 そして、ギャランGTOを手放し、フェアレディ240Zのオーナーとなった。フェアレディの強靭なパワーを感じながら、ギャランGTOは思い出のクルマへと変わっていった。

 その後、数台のクルマを乗り継いできたが、自身で初恋の女性を忘れられないような感情というように、ギャランGTOのスタイルが忘れられることはなかった。


ハードトップともいえる形状だが、カタログでは「ヒップアップクーペ」と表記。リアテールランプ上部のせりあがった形状が特徴的だった。


センターキャップに三菱マークが入ったアルミホイールは純正オプション。



タンブルホームを実現するためにウインドーにカーブドグラスを採用した。窓枠がないので、ドアを開けると、その形状がよく分かる。



ギャランGTOの純正オプションだったスポーツバイザー。地面と水平のスリットバーで構成され、後方視界をさまたげることなく、リアシートへの直射日光を防いでくれる。



高速安定性を得るために、飛行機や船のようなタンブルホームと呼ばれる形状を採用。丸みのあるボディラインで横風の影響などを軽減しようとした。

ノスタルジックヒーロー Vol.145 2011年6月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:MURANISHI IKKAI /村西一海

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