横置きCA18DE型 新機構を取り入れた スポーティセダン U12 ブルーバード

1987年9月に登場した8代目U12ブルーバード。先々代910、先代U11の直線的なスタイルから一新し、風をイメージしたなめらかな線で構成されたボディをまとった。

 車種構成はSSSシリーズとアーバンサルーンシリーズの2種類で展開。それぞれに4ドアセダンと4ドアハードトップを用意した。特にSSSのハードトップはスポーティなイメージリーダーを担っている。カタログのメインに真っ赤な4ドアハードトップを登場させるあたりからも日産の意図が読み取れる。若返りに成功し、独身の20〜30代に受けた。一方のアーバンサルーンは、4ドアセダンをメインにコンサバなファミリー層に請求した。

 また、先進のメカニズムを積極的に採用しているのが特徴だ。この頃、各社とも新世代の4WDの開発に力を入れていた時期で、日産はビスカスカップリング付きセンターデフを採用したフルオート・フルタイム4WDの「ATTESA」を開発、U12に設定している。

 「ビスカス」とは粘性という意味で、デフ内に注入されたシリコンオイルの粘性で前後輪へのトルク配分を走行状況に合わせて無段階でコントロール。2WDにもビスカスLSDを設定している。このほかに4WAS(4輪アンチスキッドブレーキシステム)も上級グレードに標準装備していた。

 名車の多い歴代ブルーバードだが、若々しさと先進のメカニズムが顕著に表れているのがU12である。


クーペのように伸びやかなシルエットが魅力の4ドアハードトップ。現代のクルマに比べて、ガラスエリアの占める割合が広い。



室内も曲線を基調としている。「ラウンドコクピット」と名付けられたインパネは人とクルマの一体感を表現している。メーターは速度計をセンターに配置した3眼レイアウトを採用している。



80年代の日産の4ドアハードトップらしく、Bピラーは 存在しない。また、U12はCピラーが細くウインドーが付いているのが特徴だ。


横置きに搭載されたCA18DE型エンジンは白金プラグを採用するなど耐久性が高い。89年10月のマイナーチェンジでSR20DE型に替えられた。



SPECIFICATIONS
89年式ブルーバード4ドアハードトップツインカムSSS-X・Ⅱ(KRU12NAEV型)

全長×全幅×全高(mm) 4520×1690×1345
ホイールベース(mm) 2550
トレッド前/後(mm) 1460/1440
最低地上高(mm) 145
車両重量(kg) 1190
乗車定員 5名
最小回転半径(m) 5.4
エンジン型式 CA18DE型   
エンジン種類 直列4気筒DOHC
総排気量(cc) 1809
ボア×ストローク(mm) 83.0×83.6
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps/rpm、ネット) 135/6400
最大トルク(kg-m/rpm) 16.2/5200
変速機 1速2.785/2速1.545/3速1.000/
4速0.694/後退2.272
最終減速比 4.420
ステアリング形式 パワーアシスト付・ラック&ピニオン
サスペンション前 独立懸架トランスバーリンク式ストラット
サスペンション後 独立懸架パラレルリンク式ストラット
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤ 195/65R14(前後とも)
発売当時価格 198.5万円


ハチマルヒーロー 2009年 05月号 vol.11(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:Satoshi Kamimura/神村 聖

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