セリカXXからスープラへ 華麗に転身を果たした GA70 スープラ 

偉大な先代セリカXXの輸出名称「スープラ」をもって86年2月に登場した初代スープラ。名前だけでなく、セリカXXの後継機種として、スポーツカー最高クラスに君臨するモデルとして、その役割を担うことになった。

 スープラ誕生と同時に、同じパワーユニットを搭載した20ソアラが誕生。ソアラは最高のプレステージカーとしての役割を課され、スープラとは少々異なる道を歩むことになる。

 スープラに用意されたエンジンは、7M型と1G型。どちらもトヨタの技術の粋を集めたエンジンで、クラス最強パワーを発揮した。3Lの7M-GTEU型は直6ツインカム24バルブにインタークーラー付きターボユニットを搭載。最高出力は軽く200psオーバーの230psを誇る。

 2Lの1G-GTEU型は直6ツインカム24バルブにツインターボを組み込んだスペシャルエンジン。ターボ車らしからぬレスポンスの高さに、アクセルコントロールのフィーリングを気にするドライバーたちにも納得のエンジンであった。スープラには、その下にツインカムノンターボとSOHCノンターボがラインナップされた。

 エンジンばかりではなく、ボディの完成度も高く、ようやく国産車もヨーロッパのスポーツカーの域に達したと多くのユーザーが感じた。スムーズに発生するハイパワーを高い剛性力のボディが受けとめる。新たな国産車のスタートがスープラによってもたらされたといっていいだろう。


ツインカムエンジンにターボを、そしてツインターボまで搭載。
最強のエンジンを生み出すため、トヨタは際限のない挑戦を繰り返す。
そして、そのクラス最高を謳うエンジンたちに与えられたのは、ヨーロッパのスポーツテイストを味わえる強靱なボディだった。


ダッシュボード、インパネ、シートなど室内は落ち着いたエンジ色で統一されている。オートエアコンやオーディオの操作パネルは傾斜し、ドライバー側を向く。ステアリングはモモ製に交換されている。


シートは全グレードに無段階リクライニング機能が付く。


ツインカムの1G-GEU型エンジンにツインターボを装着。電子制御のTCCSによって、アクセル開度、吸気管圧、車速などの情報をチェックしながらエンジンを制御している。


エンジンカムカバーには「YAMAHA」の文字が刻まれている。協力関係にあるヤマハの技術によって、トヨタのツインカムエンジンが実現した。


ハチマルヒーロー 2009年 05月号 vol.11(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:hideyoshi takashima/高島秀吉

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