こっちがオリジナル!「光岡ビュートのモチーフとなったクラシックカー」 小さな高級・高性能サルーンの名作 ジャガー マーク2 1

コンパクトながらエレガントな美しさをたたえる4ドアボディにイギリス製高級車の伝統を体現したゴージャスなインテリア。
その一方でパワーユニットは、レーシングカー譲りの直列6気筒ツインカム。高級・高性能サルーンのパイオニア、ジャガー・マーク2の登場である。 光岡ビュートの元ネタとなった名作サルーン

 ジャガーの名作サルーン、マーク2。日本では「光岡ビュートのモチーフとなったクラシックカー」と言ったほうが分かりやすいかもしれないが、比較的小型のボディに大排気量エンジンを搭載し「高性能スポーツサルーン」というジャンルを開拓した、自動車史に残る傑作である。その原型となったのは、1955年に登場した元祖スモールジャガー「2.4/3.4L」。それにドラスティックな改良を施した進化版として、59年秋にデビューを果たすことになるのだ。

 マーク2登場ののち「マーク1」と呼ばれることになったジャガー2.4/3.4Lは、ジャガー史上初めてモノコック式ボディを採用したモデル。全長で4590mm、全幅では1700mmというコンパクトな4ドアサルーンボディに、当時としては先進的なツインカムヘッドを持つ直列6気筒「XKユニット」を搭載。特に「3.4L」は210psを獲得し、当時は世界のどこにも存在しなかった「高性能スポーツサルーン」というジャンルの先駆けとなった。

テールランプ
このクルマが「自動車美の極致」と称される一因の後姿。なだらかな曲線を描いて下降するボディラインや、スパッツを付けたリアホイールハウスが古典美を示す。テールランプは、ルーカス社製の汎用品。マーク1時代より若干大型化されていた。

トランクルーム
流麗なスタイリングの割には実用的なラゲージスペースを誇るトランクルーム。奥に見えるクーラーユニットは、日本の東芝電機製。「Toshiba」という古い筆記体のロゴが刻まれている。

ホイール
マーク2ではオプションのワイヤーホイールを装着した個体が多いが、この車両は標準の鉄製ホイールとセンターキャップの組み合わせ。これもまた魅力的である。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2017年2月号 Vol.179(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Hiromi Takeda/武田公実 photo:Junichi Okumura/奥村純一

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