軽自動車から小型自動車へ乗り換えるため運転免許も取り直した ワンオーナー パブリカ 800  2

慣れたステアリングさばきで、するするとガレージにパブリカを収める。40年以上も続く、いつもの光景。この後、軽くボディを拭きあげる。

67年式 パブリカ800デラックス

仕事で必要とされたのが屋根付きの移動手段
スバル360という軽自動車で十分よかったのだが
当時でも珍しかった小型乗用車を手に入れた
新たに免許を取得しなおしたのだ
結局、最後まで残ったのはパブリカだった




 パブリカをワンオーナーで乗り続けている石山さん。
 それまで、クルマに対してさほど興味を持っていなかったが、パブリカを購入することになり、軽自動車専用免許から普通車も運転できる運転免許を取得し直し、クルマに対する意識も変わったという。
 また、軽自動車から小型自動車へ乗り換え、乗り心地の良さを実感。
 おかげで、パブリカは家族旅行でも大活躍し、クルマでの遠出も増えていった。

 故郷である福島へは何十回と訪れ、一番遠いところでは、親戚のいた高知に自走で行ったこともあるという。
 それまで興味がなかったのに、クルマに乗ること自体が好きになってしまった。
 パブリカを入手してから、興味を持ったクルマという機械。そのメンテナンスに関して不安はなかったのだろうか。

 「これといって特別なことはしてきませんでした。オイルの管理だけはちゃんとして、こまめにオイル交換し、グリスアップが必要であれば、早めに対処していました。詳しいことはよく分かりませんが、おかけで、大きなトラブルもなく、今でも現役で動いています」

 今では、パブリカを仕事で使っていることもあり、雨の日でも乗っているが、購入当時はかなり大切にしていたようだ。
 雨の日には乗らないし、できたての道路でアスファルトを巻き上げたら、帰ってから下回りをチェックし、タッチアップしていたという家族の話もある。
 
 その後、チェイサー、マークII、パサートなど、新しいクルマと併用してパブリカを所有。
 しかし、新しいクルマはどれもミッションが壊れてしまい、長持ちしなかったという。結局、残ったのはパブリカで、ワンオーナー車両として乗り続ける結果となった。


パブリカ インパネ
使用感はあるものの、泥やホコリなどで決して汚れていない室内空間。シートの状態もよく、大切に乗られてきたことがすぐに見て取れるだろう。




パブリカ ドア内側
塗装が剥げている部分もあるが、キレイに清掃されているため、古さを感じることはない。味のある情景を生み出しているだけだ。



パブリカドア
クルマの随所に使用感がある。破けたシールはシフトアップのタイミングが記されているようだ。1速から16km、27km、42km、63kmと表記されている。


パブリカ グローブボックス
チェッカーフラッグ模様に「Publica Deluxe」の文字。コンソールボックス上部にも擦れた跡が残る。伝票や領収書などが入れられてきたのだろう。




掲載:ノスタルジックヒーロー2008年08月号 vol.128(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Tatsuo Sakurai/桜井健雄

RECOMMENDED

RELATED

RANKING