下道400km!? 新潟から千葉・鴨川まで9時間掛けてドライブ コロナHT2000GT 3

「一台のクルマに長く乗り続ける」単純なことのようで、実は難しい道のりだ。大好きなクルマを手放すことは誰もが躊躇するが、クルマの耐久性、生活環境の変化など、さまざまな要因が立ちはだかり、行く手をさえぎる。今回はそんな道のりを乗り越えてきた3人のワンオーナーを紹介してみよう。

クルマのメンテナンスに関してはすべてディーラーにお任せだが、ドライブは大好きだという。遠出も苦にならず、地元新潟からスタートして国道18号をひたすら走り、千葉県の鴨川へ9時間掛けてドライブしたこともあるという。しかも、帰りはフェリーで神奈川へ渡り、名古屋経由で帰ったというから驚き。
 「とにかくドライブに出かけるのが楽しかったですね。青年会議所の集まりなど、1人で行くことが多かったのですが、運転が大変だと思ったことはありません。特にこのコロナ2000GTは長距離でも疲れません。タフなボディで、直進性能が優れていると思います。また、エンジンも頼もしいので、長距離ドライブも安心して乗れます。おかげでドライブ好きになってしまったのかもしれませんね。ドライブするために一生懸命働いていたようなものですよ」


5代目コロナに搭載されたエンジンはすべてに公害対策が施され、排ガス規制対策が取られた。

 コロナ2000GTに乗ってから、高橋さんは、それまでのような乗り換えのサイクルとは違ったクルマとの付き合いが始まったという。デザイン、機能、すべてが高橋さんの好みに合ったことで、「当分はこのクルマでいいのかな」と思ったのがことの始まり。以来、30年以上コロナ2000GTに乗り続ける。

 長年、ディーラーのメンテナンスによって常にグッドコンディションを保っていたが、1点だけ気になったことがあった。それはライトの光量。高橋さんは対策として、ヘッドライトをハロゲンランプへ替え、フォグランプを増設している。その他はまったくといっていいほど、気になる点はなかったという。


上の写真にあるスイッチで操作されるトランクリッドのロック部分。電気式が採用されており、軽いタッチでロックを解除することができる。

 「次はボディのレストアをするぐらいですかね。よく聞かれるんですが、これといって特別なことはしていないんです。ただ、クルマに乗るときは愛情のこもった運転をするように心がけています」



コロナ2000GTに搭載されたエンジンはマーク2 2000GSSと同じ18R-G型の改良型。

 現在、新しいクルマで気になるのはハイブリッド車両ぐらいだという高橋さん。強いて言えば「73カレラに乗ってみたいかな」という。クルマとの付き合い方は変わったのだが、やはり、走りを追求したドライビング魂は、未だに衰えることなく、内に秘めているようだ。

掲載:ノスタルジックヒーロー 2008年 08月号 vol.128(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:INOMATA RYO/猪股 良

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