Hey Siri? ボイスコンパニオンがラジオを選曲!? 最先端のエレクトロニクスも実装していた430【1】1982年式 日産 セドリック 4ドア セダン 200E GL

角目4灯がセダンの特徴。グリルもハードトップとは異なる

       
【新時代の幕開けを予感させた、豪奢かつ端正な正統派セダン 1982年式 日産 セドリック 4ドア セダン 200E GL Vol.1】

 430セドリック&グロリアのデビューは、新時代の到来を感じさせるものだった。とりわけ注目されるのは、前ページで紹介したターボモデルだが、それだけではない。まず、エクステリアは先代330から一転、水平ラインを基調としたシャープなスタイルを採用。幅広の大型メッキグリルをはじめ、品格と風格を感じさせるデザインとなった。インテリアもブロアムを筆頭に高級感あふれる仕立てで、高級車の本質を形にして見せた。

 パワーユニットは、前述のL20ET型2Lターボが話題の中心。だが、最大排気量のL28E型2.8Lに燃料噴射や点火時期などをコンピューター制御するECCS(エックス)を採用したほか(後期でL20ET型とL20E型にも採用)、後期で登場した電子制御オーバードライブ付きロックアップ4速オートマチックなど、積極的に電子制御技術を取り入れている。

 また、エレクトロニクスを駆使した装備も注目すべきポイント。目的地までの残り距離を表示する減算トリップメーターや平均車速など、さまざまな情報を表示するドライブコンピューターをはじめ、音声指示でパワーウインドーの開閉やラジオの選局ができる世界初のボイスコンパニオンという装備まで登場(後期のターボSGL‐Fにオプション)。今でいう「オーケー、グーグル」的な音声認識機能がこの時代にも存在したのだ。430はこうした最先端技術を積極的に開発・投入し、「技術の日産」を具現化した。



>> 【画像18枚】マニュアルエアコン、カセットデッキが標準となっていたセダンGLのインテリアなど。ハードトップと比較すると、センターコンソールの造形が違うことが分かる



>> ライトオンで淡いブルーに輝くヘッドランプモニター。球切れなどでヘッドライトが点灯しない場合は、ここも点灯しない。





>> 6ライトウインドーの端正な正統派セダンスタイル。オペラウインドーのセドリックマークは横向きのデザインとなっている。



>> グロリア・ブロアム用のスポーク調ホイールキャップを装着。「少しローダウンしているのでこっちのほうが似合う」と、オートサークルの福嶋さん。セドリックセダン後期GL用はフルカバードタイプとなる。

1982年式 日産 セドリック 4ドア セダン 200E GL(430)

Specification 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4690×1690×1430
ホイールベース(mm) 2690
トレッド前/後(mm) 1415 / 1380
車両重量(kg) 1335
エンジン型式 L20E型
エンジン種類 直列6気筒SOHC
総排気量(cc) 1998
ボア×ストローク(mm) 78.0×69.7
圧縮比 9.1:1
最高出力(ps / rpm) 125 / 6000
最大トルク(kg-m / rpm) 17.0 / 4400
変速比 1速 2.842 / 2速 1.542 / 3速 1.000 /
4速 0.686 / 後退 2.400
最終減速比 4.375
ステアリング ボールナット
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン / 5リンク
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 185SR14(前後とも)
発売当時価格 200.8万円


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 5月号 vol.35
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1982年式 日産 セドリック 4ドア セダン 200E GL(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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