スカイラインブラウンのハコスカGT‐Rを手に入れた経緯【2】1970年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R

フロントグリル、Cピラー、リアパネルに装着されたエンブレム類は、あえてピカピカの新品ではなく、購入時に装着されていたものを使う

       
KPGC10のデビュー時には、「スカイラインブラウン」というボディカラーが設定されていた。
あまり知られていない事実だが、今回その元色を保った個体に遭遇することができた。
当時の雰囲気をそのまま今に伝える、奇跡の1台についてリポートしよう。

【GT-R伝説 1970年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R Vol.2】

【1】から続く

 今となっては新車の時から元色を保っている車体は、かなり貴重な存在となる。取材に応じてくれたオーナーのTさんも、当時の面影を残していくことに腐心している。

「前のオーナーの方を直接知っていたわけではないのですが、このクルマが地元にあることは以前から知っていました。それがある時、たまたま付き合いのあるクルマ屋さんから買わないかと連絡が入って、見に行ってみるとエンジンは全部バラされている状態でした。もしかしたら前のオーナーさんがオーバーホールして、まだ乗り続けるつもりでいたのかもしれません。詳細は分かりませんが、手放すことになったようで、バラした状態のままでよければ譲ってもいいという話でした。少し悩みましたが、貴重なスカイラインブラウンでしたし、地元で長く乗られていたクルマということで縁も感じていましたので、購入することに決めました」

 スカイラインブラウンのGT‐Rを手に入れた経緯を、そう語るTさん。

>>【画像19枚】購入時はバラされた状態だったため、オーバーホールとレストアを実施したS20型エンジンなど。赤いエアクリーナーはもちろん、ソレックスキャブレターも新車装着時のもの。また、オプションのブレーキマスターバックが装着されている




>> シリンダーヘッドは最終仕様の「K4」だ。









1970年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(KPGC10)


Specification 諸元
全長 4460mm
全幅 1665mm
全高 1370mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1370 / 1365mm
最低地上高 160mm
室内長 1655mm
室内幅 1325mm
室内高 1110mm
車両重量 1100kg
乗車定員 5名
最高速度 200km / h
登坂能力tanθ 0.58
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 S20型
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC
総排気量 1989cc
ボア×ストローク 82.0×62.8mm
圧縮比 9.5:1
最高出力 160ps / 7000rpm
最大トルク 18.0kg-m / 5600rpm
変速比 1速 2.957 / 2速 1.858 / 3速 1.311 / 4速 1.000 / 5速 0.852 / 後退 2.922
最終減速比 4.444
燃料タンク容量 100L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション 前/後 コイルスプリング式独立懸架ストラット / コイルスプリング式独立懸架セミトレーリングアーム
ブレーキ 前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも 6.45H-14-4PR
発売当時価格 154万円



【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1970年式 日産 スカイライン HT 2000 GT-R(全3記事)

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【1】から続く

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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