人とクルマとの縁を大切にしたい。ある日ネットでS54Bを見つけて・・・【1】1968年式 ニッサン プリンス スカイライン2000 GT-B

ご覧のようにシングルナンバーをキープしている、貴重な個体となっている。

       

旧車のイベント会場などでオーナーと話をしていると、そのクルマとの出合いのエピソードが語られることがよくある。
人とクルマの間には、かならず「縁」が存在する。
ひとりのS54スカイライン2000 GT-Bのオーナーとそこにまつわる出合いと人の縁を紹介する。

【 1968年式 ニッサン プリンス スカイライン2000 GT-B Vol.1】

 古いクルマを買うということは、前オーナーの存在を意識することでもある。もちろん新車の場合は、工場から出荷された姿がそのまま購入者に届くわけだが、古いクルマを手に入れると、クルマの外装、内装などに過去に使われてきた間の痕跡が、いくつも見つかることが多い。フルレストアという手段でその痕跡を残さず消すのも新オーナーの自由だし、逆にそれをそのまま受け継いでいくという考え方も、新オーナーの自由だ。

 長野県諏訪市で生まれ育ち、今もその地で商売を営んでいるオーナーは、長年古いクルマに乗り続けている。現在は2台を所有。1台は25年前に手に入れた1967年式ダットサンフェアレディ2000 SR311で、ローウインドーのハードトップ付き。そしてもう1台は約2年前に購入した1968年式ニッサン・プリンス・スカイライン2000GT‐B、S54だ。

「以前からS54Bは、あこがれのクルマでした。古いクルマとの出合いはタイミングというか縁が大切なので、いつかは乗ってみたいと思っていました」

>>【画像33枚】純正をワイド加工したものが装着された前後のスチールホイールなど。フロント5J、リア5.5Jで、絶妙な張り出し感を実現している。タイヤサイズは前後共に185/70R13。サスペンションはフロントが日産レース用、リアがオーリンズとなっている



>> 黒のレザートップは新車当時からのもののようだ。初代オーナーがボディカバーをかけて保管していたようで、良好な状態を保っている。





>> 左右のフェンダーに付く車名エンブレムとGT-Bを示す赤バッジ。





>> トランクリッドのエンブレム。ここにも赤のさし色。



1968年式 ニッサン プリンス スカイライン2000 GT-B(S54)


Specification 諸元
全長4235mm
全幅1510mm
全高1405mm
ホイールベース2590mm
トレッド前/後1265 / 1255mm
最低地上高155mm
車両重量1095kg
乗車定員5名
最高速度180km / h
登坂能力sinθ0.47
最小回転半径5.25m
エンジン型式G7型
エンジン種類水冷直列6気筒SOHC
総排気量1988cc
ボア×ストローク75.0×75.0mm
圧縮比9.3:1
最高出力125ps / 5600rpm
最大トルク17.0kg-m / 4400rpm
変速 機前進5段 / 後退 1段 2~5速 シンクロメッシュ
変速比1速 2.851 / 2速 1.854 / 3速 1.378 / 4速 1.000 / 5速 0.810 / 後退 3.564
最終減速比4.444
燃料タンク容量99L
ステアリング形式リサーキュレーティングボール式
サスペンション前/後独立懸架ウイッシュボーン・コイル / リジッド半楕円リーフ
ブレーキ前/後ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも5.60-13-6PR
発売当時価格94万円

【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 ニッサン プリンス スカイライン2000 GT-B(全3記事)

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photo:MAKOTO INOUE/井上 誠

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