海を渡ったてんとう虫と出合い、心を奪われた男の物語|My story with【1】1969年式 スバル 360 スーパーデラックス (北米仕様)

フロントのエンブレムやウインカーレンズもリプロ。北米仕様のオリジナルエンブレムはゴールドだが、あえてクロームで再生した。

       
「てんとう虫」の愛称で親しまれたスバル360が、北米大陸でも発売されていたことはあまり知られていない。
2018年に生誕60周年を迎えるこの「てんとう虫」と、彼の地で出合い、心を奪われ、ついにはフルレストアまで敢行した男の物語をお届けしよう。

【海を渡ったてんとう虫に心を奪われた男の物語 1969年型 スバル 360 スーパーデラックス (北米仕様) Vol.1】

 1958年に発売されたスバル360。愛きょうのある見た目と、てんとう虫というニックネームで知られ、日本の戦後史を語るうえでも欠かせない存在だ。12年間で約39万2000台が生産されたが、実はそのうちのごく一部は海外にも輸出されている。

 先駆けとなったのはオーストラリアで、ビクトリア州バララットという街でディーラーを営んでいたフランク・オブライエンさんが、1961年に73台を輸入。正確にはエンジンの排気量を423ccまで拡大したスバル450で、現地ではスバル・マイア(MAIA)という車名で販売された。


>>【画像47枚】安宅さんが手作業でレストアしたステアリング本体など。もちろん左ハンドル。ホーンパッドのエンブレムはリプロだ


 そしてアメリカでは、1968年にスバル・オブ・アメリカを創業した実業家、マルコム・ブルックリンさんが、左ハンドル仕様のスバル360を約1万台輸入。当時の新車価格は1297ドルだったという。

 だが、いずれの場合においても、エンジンが非力で、オーバーヒートを起こすなど信頼性に欠けていたこと、あるいは衝突安全性の面で不安があったことなどからセールスは伸びず、スバル360の輸入販売は短期間で終了してしまった。




>> ドアストッパーのストラップも作り、ドアを閉める時の音にもこだわった。リアのエンブレム、テールランプレンズもリプロ。





>> ドアヒンジを取り付けるネジもリプロを製作。





>> ドアハンドルまわりもきれいにレストア。ウエザーストリップのリプロも充実している。







【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2018年2月号 Vol.185
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1969年型 スバル 360 スーパーデラックス (北米仕様)(全4記事)

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text : HIDEAKI KATAOKA/片岡英明  PHOTO : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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