タフな仕事を支えてきた働き者 76年式 日産バイオレットバン 1400 デラックス 2

バン1400には3つのグレードがあり、最上級がスーパーデラックス、中間がデラックス、そしてベースモデルという設定。スーパーデラックスには木目タイプステアリングをはじめとする豪華装備が盛り込まれ、商用車としての面影はまったく感じられない。

今、思い返してみると、60〜70年代のセダンには、こうしたバンボディを持つ車種がいくつもあった。
エンジンなどのパワートレーンはセダンと同系列のものを搭載するが、サスペンション、とくにリアについては、セダンが独立懸架であっても、リジッドアクスルとするのが通例。

最大積載量500㎏もの荷重がかかるので、頑丈さという点で当然ともいえる。
バイオレットの場合も、セダン上級グレードは510ブルーバードの流れをくむ独立懸架セミトレーリングアームだが、バンでは半楕円リーフスプリングを装着する。ちなみにセダンの廉価グレードもリーフスプリングとなっている。

バイオレットバン。全国に何台くらいの個体が残っているだろう……。



簡素な2スポークステアリングが標準装備となるデラックス。取材車のトランスミッションは4速フロアだが、デラックスは3速コラムも選択できた。



エンジンはL14型で、シングルキャブレターとの組み合わせで85psのパワーと11.8kgmのトルクを生み出す。スペック上はセダン&ハードトップと同じ。



バルクヘッドに付けられたプレート。昭和50年排ガス規制車を示すHが付き、型式はH-VJ710となっている。



SPEC

76年式 日産バイオレットバン1400デラックス(VJ710WT)

●全長4175mm
●全幅1580mm
●全高1435mm
●ホイールベース2450mm
●トレッド前/後1285/1310mm
●最低地上高170mm
●荷室内側寸法〈2人乗車時〉長さ1560㎜/幅1260㎜/高さ795㎜
●車両重量1020kg
●乗車定員2名〈5名〉
●最大積載量500kg〈300kg〉
●最高速度150km/h
●登坂能力tanθ0.29
●最小回転半径4.8m
●エンジン型式L14型
●エンジン種類水冷直列4気筒SOHC
●総排気量1428cc
●圧縮比9.0:1
●最高出力85ps/6000rpm
●最大トルク11.8kg-m/3600rpm
●燃料タンク容量45ℓ
●サスペンション前/後独立懸架ストラット式/半楕円リーフスプリング式
●ブレーキ前/後ツーリーディング式/リーディングトレーリング式
●タイヤ前後とも5.50-13-8PR●発売当時価格74.3万円


掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年 10月号 vol.147(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo: Hayakawa Toshiaki/早川俊昭

RECOMMENDED

RELATED

RANKING