耽美的なマスクを持つ、現行型BMWクーペのオリジン【1】1967年式 BMW 2000 CS|輸入車版懐古的勇士

3200 CSから継承された、下部が「く」の字形に曲がったCピラーは、現代においてもBMW製クーペを象徴するスタイルとなっている

       
現行「6シリーズ」ないしは間もなく復活する「8シリーズ」など、長らくBMWの魅力を象徴する存在だった高級クーペたち。
その直接のオリジンは、1965年に登場したデカダン的クーペ、「2000C/2000CS」までさかのぼることができる。

【輸入車版懐古的勇士 1967年式 BMW 2000 CS Vol.1】

 第二次大戦後のBMWは、3.2LV8エンジンを搭載した高級スポーツモデル、503/507および3200CSを少量生産するも、いずれも商業的には成功に至らず、一時は会社の存続さえ危ぶまれる事態を招いた一因とさえ言われた。しかし、1961年に登場した中型サルーン「ノイエクラッセ(ニュークラス)」こと1500とその派生モデルである160
0/1800は、その窮状を覆すクリーンヒットを果たす。そしてその成功を見たBMWが、1965年のフランクフルト・ショーでデビューさせた新たなるクーペ「2000C」は、BMW社自身が「戦前の傑作327の復活」を標榜する意欲作であった。

 シャシーは、ノイエクラッセのホイールベースを2550mmに短縮。サスペンション形式も、ノイエクラッセで大好評を得た、前:マクファーソンストラット+コイル/後:セミ・トレーリング・アーム+コイルを踏襲。ボディサイズは、全長4530mm×全幅1675mm×全高1360mm。車重は1180kgとされていた。

>> 【画像18枚】BMW1500から2002にも採用されたホイールキャップなど。ボートのごとくスマートなノーズに、引っ込んだタイア/ホイールが年代的



耽美的なマスクを持つ、現行型BMWクーペのオリジン





当時の欧州車ではバックミラーの装備がない事例も多いが、正規輸入されたこの個体では、希少なタルボ製フェンダーミラーを装備。





【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1967年式 BMW 2000 CS(全4記事)

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text:HIROMI TAKEDA/武田公実 photo:MOTOSUKE FUJII/藤井元輔輸入車版懐古的勇士

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