イタリア車のように美しいスタイルと優れた動力性能を有した 67年式 いすゞ ベレット 1500 2ドア デラックス 2

イタリア車のように美しいスタイルとライバル車を圧倒する動力性能、全輪独立懸架のサスペンションとラック&ピニオンのステアリングによる操舵性とスポーツカー並みの装備が、大衆車のセダンにおごられていた。

その理由は当時の日本を取り巻く状況にあった。50年代の日本は、現在の中国と同じように、米国から為替や輸入の統制政策への批判が高まっていて、60年には貿易の自由化が始まった。

その動きを受けて、海外進出を狙ったいすゞはベレットに海外でも通用する性能を求めたのだ。64年には、1.5Lセダンのマイナーチェンジで2ドアを設定。よりスポーティーさを演出し、欧州での販売数増加を狙ったモデル。

67年には、それまでの丸形4灯ヘッドライトに追加し、変形角形2灯ヘッドライトのモデルが追加された。



細いステアリングにイタリアンな雰囲気を持つインパネ。メーターはスピードメーターとコンビネーションメーター。



3連メーターは左から電流計、負圧計、油圧計。



ワイパー、ライトスイッチの下はタコメーターと空調、チョークレバー。その下にはラジオユニットが設置。



写真では分かりづらいが、非常に細いシフトノブ。後退は1速の手前に。



購入時に張られていたビニールがそのままに。



純正のシートカバー。



スペアタイヤの隣は燃料タンク。ここも新車時の美しさ。


掲載:ノスタルジックヒーロー 2011年 10月号 vol.147(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo : Satoshi Kamimura/神村 聖

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