日本初のファストバックスタイル 1969年式 三菱 コルト1100F スポーツ 3ドア【1】

三菱コルトの車名は、1960年代における通産省の国民車構想によって登場した三菱500から、62年に登場したコルト600にまでさかのぼる。

その後、63年には三菱初の4ドアセダンとなるコルト1000、65年にはコルト1500と排気量が拡大された。
その一方で、60年代前半から、国際的に流行したファストバックスタイルを取り入れた個性的なモデルが、初代ミニカを製作していた水島製作所で開発された。

それが、65年11月に発売された、国内初のファストバック型2ドアセダンのコルト800だ。

 個性的なファストバックのボディに搭載されたエンジンは、2サイクル水冷直列3気筒843㏄が採用され、駆動方式はFR。
足回りはフロントがダブルウィッシュボーン+横置きリーフスプリング、リアはリジッドアクスル+リーフスプリングというオーソドックスな構成となっていた。



前後バンパーに、ゴム製のオーバーライダーが装着されるのが特徴。ヘッドライト回りのデザインは、精悍な印象だ。



1100Fスポーツの特徴となるブラックマスク。3本のラインと中央に「S」のマークが輝く。



フロントフェンダーにも、「S」のエンブレムが追加される。もともとは赤い地色だったらしいが、36年の月日によって赤色はわずかに残る程度になっている。



旧車によく見られるフロントウインドーの三角窓は、ウエザーストリップがヘタってきているが、開閉はスムーズ。特徴的にリアサイドウインドーは、下側が開く珍しい構造になっている。


初出:ノスタルジックヒーロー 2011年 10月号 vol.147
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

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撮影=南井浩孝 photographed by MINAI HIROTAKA

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