エルニッパチ3リットルカイ!|L型なのにGT-R!? 最高のパフォーマンスを求め 究極の姿に変貌を遂げた一台 2

エンジンルーム。ハーネスはすべて新品に交換されている。リアをディスク化したことによって、容量が足りなくなってしまったブレーキマスターシリンダーはケンメリ用に交換されている。

スカイライン2000GTのGT-R仕様のオーナー、木村正和さんはそもそも、ジェットスキーを楽しんでいたので、クルマといえばトランポとしての機能があれば十分だった。

 しかし、現行車を乗り継いでいくうちに、キャブ車に乗りたいという思いにかられることに。
 雑誌などをみて、最初に手に入れたのもハコスカだったという。

「最初のクルマの状態はあまりよくありませんでした。次はちゃんとしたクルマに乗りたいと思って、いい個体のハコスカを1年間ぐらい探しました」

 状態のよいクルマを条件に探したが、なかなか気に入るクルマが出てこない。そこで、たどり着いたのは、ホワイトボディから、クルマを造ることだった。
 そして、ドンガラ状態のボディから、約2年の歳月を経て、クルマを造り上げた。

 エンジンはL28の3リットル改。亀有のφ89mmピストン、強化バルブスプリングに始まり、ニスモF112のメタルなど、強化パーツをふんだんに組み込んでいる。
 また、タイミングチェーンは新品パーツと交換。もちろん、ポート研磨やバランス加工などのオーバーホールも手を抜くことはなかった。

 キャブレターはソレックスのφ44mm。点火装置はフルトラ化されている。
 エンジンルーム内ではディスクタイプのリアブレーキを補うために、ブレーキマスターシリンダーをケンメリ用に交換。オイルクーラー、追加空冷ファン、キャブレターとエキパイの間の遮熱板など、熱対策にも万全を期した。

 ミッションはケンメリGT-R用。リアにR200デフを組み込み、ファイナルギアは3.9。GT-R標準が4.444なので、この組み合わせはハイギアード。
デフ回りはR200にレース用フィンカバーが装着され、コンペディションモデルの風格が漂う。



ラジエターとフロントグリルの間にオイルクーラーを装着。狭いスペースに収まっている。冬場はオーバークールになってしまうので、サーモスタットを下部に装着した。





ステンレスタコ足からの熱対策に遮熱板をキャブ下に装着。裏側に石綿が貼ってあるので効果絶大。




大型アルミラジエターに新たなファンを追加。アルミでシュラウドを作成し、電動ファンを装着。





タコ足はステンレス製等長タイプ。スピリットガレージオリジナルパーツを使用する。ミッションはケンメリGT-R用を流用している。



フロントオイルパン回り。L型エンジンの箱スカ用標準オイルパンを装着する。










石坂オリジナルのステンレスマフラーが美しく輝く。ボディ下もマフラーに負けないぐらいのツヤがある。





掲載:ノスタルジックヒーロー Vol.143 2011年02月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Hirotaka Minai/南井浩孝

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