ハマの黒ヒョウ【4】わずか237台のLP400S|サーキットの狼世代へ|ランボルギーニ カウンタック LP400S

斜め上方に跳ね上げるカウンタックのドア。キャビン内からの後方視界が利かず上半身を乗り出して後退操作を行う通称「カウンタックリバース」もこのドア構造だから初めて可能になったワザ。それにしてもこのアングルから眺めるカウンタックの姿はダイナミックだ

       
誰しもが通ったであろう「サーキットの狼」という漫画。この作品が登場するまで実在するクルマを描き切った作品がなかったことに加え、漫画に登場するスーパーカー群を乗り継いできた作者によるリアルなエピソード。そして、1人の暴走族がF1レーサーへと成長する過程を丁寧に描いたストーリーに酔いしれた。そんなサーキットの狼世代に向け、往年の名車とともにじっくりと堪能できるシリーズをおおくりする。

ヒール役「ハマの黒ヒョウ」を
盛り立てた強烈個性のカウンタック

【ランボルギーニ カウンタック LP400S  Vol.4】

【3】から続く

 サーキットの狼ミュージアムに展示されるカウンタックは、プロトタイプとなるLP500を除くと第2世代にあたる1978年リリースのLP400S。カウンタックは1974年から1990年まで6モデル計2042台が造られ、このうちの237台がLP400Sだった。

 折しも、環境対策を考慮しなくてはならない時代で、LP400Sのエンジン出力は、初代となる前モデルのLP400よりもダウンし、375 ps仕様に抑えられていた。
 カウンタックに本格的な需要が集まるのはモデル終盤期となる1985年の5000クワトロバルボーレからで、続く1988年の25 thアニバーサリー(クワトロバルボーレベース)と合わせ、カウンタック全生産台数の3分の2を占める1326台が造られた。

 同シリーズは、排気量が5167ccに引き上げられ、さらに4バルブヘッド化されたことで出力性能が大幅に向上。自然吸気エンジンながら455psを発生するまでに強化されていた。

 近未来を彷彿とさせる先鋭的なウエッジシェイプのカウンタックは、当時のスーパーカーを代表する存在となり、そのイメージは今も続いている。


>>【画像20枚】大きく張り出したオーバーフェンダー、大型リアウイング、エアインテークにNACAダクトとカウンタックのエクステリアは変化に富んだ仕上がりとなっている。この力強さ、どう猛さがカウンタックの大きな魅力でもある



>> 車名のLPはエンジン縦置きを意味するLengthwiseのLを意味するものだ。ミウラで斬新な横置きレイアウトを採ったランボルギーニだが、カウンタックではコンベンショナルな縦置き方式を採用。ただしミッション位置を前方としたことから搭載方向は前後逆となっている。






ランボルギーニ カウンタック LP400S


SPECIFICATION 諸元
全長×車幅×全高●4140×2000×1070mm
ホイールベース●2450mm
トレッド 前/後●1490mm/1606mm
車両重量●1385kg
エンジン●60度V型12気筒DOHC縦置きミッドシップ 
総排気量●3929cc
最高出力●353ps/7500rpm
最大トルク●37.0kg-m/5000rpm
生産年●1978~1982年
生産台数●237台(LP400S)
生産国●イタリア
※スペックは池沢早人師ミュージアムに準じる。



初出:ノスタルジックヒーロー 2017年12月号 Vol.184
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

ランボルギーニ カウンタック LP400S (全4記事)

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【1】【2】【3】から続く

©︎池沢早人師/animedia.com text : AKIHIKO OUCHI/大内明彦 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太(サッカス)

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