「R」の称号にふさわしい高性能を創り上げる|L型なのにGT-R!? 最高のパフォーマンスを求め 究極の姿に変貌を遂げた一台 1

美しくつややかな表情を見せてくれる70年式スカイラインHT2000GTのGT-R仕様。ディテールにこだわり、ドンガラの状態から作成された一台。エンジンにはL型が搭載されているが、最大限のポテンシャルを引き出すチューニングが施されている。チンスポイラーやオーバーフェンダーの収まりは素晴らしく、スキのない完成度には驚かされることだろう。

3代目スカイラインのハードトップモデルは70年10月に発売された。それまで高い人気を得ていたスカイラインだけに、ハードトップモデルの登場はスカイライン人気に拍車をかけた。

 フロントとリアのウインドー傾斜を変更し、流れるようなスタイリングを得たハードトップモデル。
 200mmも延ばされたドアと相まって、スポーティ、かつ、落ち着いた雰囲気の漂うエクステリアデザインとなった。

 インパネのデザインも大きく変更されている。特徴的なのは突起物がパッドで覆われる意匠となったこと。安全性を向上させた結果だった。
 おかげで、まとまり感のあるインテリアデザインが生まれている。

 丸型無反射メーター採用、アームレスト大型化、シート、内張りなどを豪華にするなどして、エクステリアの充実も図られた。

 69年10月に登場した4ドアのGT-Rはハードトップモデル登場と同時に廃止。GT-Rはハードトップのみとなった。
 レースでの実績はハードトップモデルの人気に直結し、ハードトップモデルのスポーティな印象を深く刻むこととなった。



 美しい輝きを放つボディ、フロントグリルに掲げられたGT-Rのエンブレム。
 一見、きれいにレストアされたスカイラインHT2000GT-Rに見えるが、エンジンルームを開けると、そこにはL型エンジンが収まっている。
 そう、木村正和さんのスカイラインはスカイライン2000GTのGT-R仕様。しかし、その手の施しようは本家のGT-Rをしのぐがごとく、「R」の称号にふさわしい高性能を発揮する。


ショップオリジナルのオーバーフェンダーはノーマルより少し大きめ。サーフィンラインにピタリとハマっている。タイヤはF205/50R15、R225/50R15。ホイールはF8.5J、R9.5J。



大きくせりあがったレース仕様のリアウイング。C10系スカイラインに装着されたウイングは様々なタイプが存在している。




リアGT-Rエンブレムは新品。ランプ回りのゴムは新品であっても浮いているモノが多い中、オーナーの工夫できれいに装着されている。


フロントにも新品のエンブレム。グリルは中古良品を探した。




掲載:ノスタルジックヒーロー Vol.143 2011年02月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Hirotaka Minai/南井浩孝

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