SUPER GRAN TURISMO【3】復帰組の多い、ソアラという車への憧れ|1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GT リミテッド|ハイソカー時代を築いた最高級クーペ

グランベール張りのダッシュボードやコンソールボックスが3.0GTリミテッドの特徴。中期以降のステアリングは4本スポークとなる

       
デビューとともに国産車の新たな時代の幕開けを告げたソアラ。
美しいスタイリングや豪華な室内、ライバルを凌駕する圧倒的なパワー、革新的な電子制御装備、そのどれをとっても、クルマが飛躍的に進歩した80年代を象徴する一台となった。
多くのファンを心酔させ、唯一無二の存在となったソアラの全貌に迫る。

【 1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GT リミテッド Vol.3】

【2】から続く

 ハチマル的には、ソアラはとくに復帰組が多いのが特徴。数ある人気ハチマル車のなかでも、40代や50代になって改めて所有するオーナーが多く存在する。この個体のオーナーもそのひとりで、年齢を重ねた今、復帰した。オーナーがクルマに興味を持ち、免許を取得した頃にZ20ソアラがデビューしたそうだ。「3.0GTリミテッドは憧れでした。でも、450万円もする高級車でとても買えるクルマじゃなかったんです」と、当時を振り返る。でも、ソアラへの憧れは強く、2.0GTを購入し、その後2.0GTツインターボへ乗り継いだ。

 それから20数年がたった昨年、10代の頃に憧れた3.0GTリミテッドをついに手に入れた。「まだ購入して1年ほどしかたっていませんが、本当に大事にしていきたいです」とオーナー。ソアラを眺める目は愛情に満ちていた。

>>【画像18枚】4リンク式ヒンジの採用により、ドアが前方外側へ開き、乗降性を向上させるイージーアクセスドアなど。このドアはZ20ソアラを象徴する世界初の装備のひとつだ




>> スペースビジョンメーターは背景のタテ線や左右のブルーのラインがなくなるなど、中期でデザインを変更。





>> ソアラを代表するマルチビジョン。TEMSの動作状態や燃費を表示できるほか、テレビの視聴も可能。この個体はチューナーを後付けして地デジ対応としている。また、希少なビジュアル・インフォメーション・カセットも残っている。





>> 中期からエアコンスイッチがタッチ式からボタンに変更。コンソールボックス内にオプションのVTR端子が付く。


OWNER’S VOICE/ソアラは大親友との思い出のクルマなんで


 恋いこがれた3.0GTリミテッドのエアサス仕様を約1年前に購入したオーナー。「この個体に出合うまでは時間がかかりましたが、夢がかなって大満足です」と語る。それだけに愛着もひとしお。今になってソアラに乗るきっかけは「知人の影響」とのこと。それが本誌29号の71マークⅡの小泉さんで、幼少期からの友人。「ソアラは若い頃に2人で遊んだ思い出のクルマなんです」とオーナー。そんなオーナーは80年代物が好きで、自宅にはブリキのオモチャがズラリと並ぶ。




1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GT リミテッド(MZ21)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4675×1725×1335
ホイールベース(mm) 2670
トレッド(mm) 1460(前後とも)
車両重量(kg) 1530
エンジン型式 7M-GTEU型
エンジン種類 直列6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 2954
ボア×ストローク(mm) 83.0×91.0
圧縮比 8.4:1
最高出力(ps / rpm) 240 / 5600
最大トルク(kg-m / rpm) 35.0 / 3200
変速比 1速 2.804 / 2速 1.531 / 3速 1.000 /
4速 0.705 / 後退 2.393
最終減速比 3.727
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 215 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 416.3万円




【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 3月号 vol.34
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 トヨタ ソアラ 3.0GT リミテッド(全3記事)

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【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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