80年代に377馬力!? の強心臓を持っていたセダン【3】英国のロータス本社まで赴き結婚式を挙げた熱烈なロータス愛好家|1991年式 ロータス オメガ

黒基調の内装に赤いウッド調パネルが生える

       
1988年のジュネーブショーに突如現れた超弩級サルーン。それまで高性能車とはあまり縁のなかったオペル/ヴォグゾールから誕生した。
このクルマには、「LOTUS」という魔法の5文字が輝いていた。

【 1991年式 ロータス オメガ Vol.3】

【2】から続く

 今回の主役となった個体は「ロータス・オメガ/カールトン」と表記される1991年式。ヴォグゾールのエンブレムを付けた右ハンドル仕様ゆえに、一般的には「ロータス・カールトン」と呼ばれるべきだが、メーターは英国式のマイルではなく欧州大陸式にkm表記されたオペルのもの。ロータスカーズからラインオフされた時点で右ハンドルのkm表示になっており「ロータス裏切りの1台」という不名誉な名で呼ばれたことのある個体だ。当時のオペル正規代理店はいすゞだったが、このクルマを輸入したのは正規インポーターではなく並行輸入業者で、1台のみ実験的に入れたもの。いずれにせよ日本に生息するロータス・カールトン/オメガは、恐らく2台と目されているそうだ。

 オーナーは、このほかにも同年式のエスプリSEを所有し、英国のロータス本社まで赴き、奥様との結婚式を挙げてしまったという、熱心な近代ロータス愛好家。もともとは映画「プリティウーマン」に登場したエスプリに魅せられたところから、ロータスへの憧れが始まったという。

 エスプリSEを手に入れたのは17年前、そして今回のオメガ/カールトンとの付き合いも、11年目を迎えた。既にベテランエンスーの域に達しているオーナーは、非常に研究熱心でもあることから、これからも2台のロータスは間違いなく幸福な生活を継続することになる、と確信したのだ。


>>【画像21枚】950台中の392番目であることを示すプレートなど



>> 変速機はZF社製6速MTのみ。





>> たっぷりとしたシートは、豪華なレザー張り。


OWNER’S VOICE


英国ロータスカーズで結婚式をあげたほどのロータスマニア。取材当時クラブロータス九州の会長を務め、ロータス漬けの生活を送る。



1991年式 ロータス オメガ


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4768×1812×1435
トレッド(mm) 1490/1535(前/後)
車両重量(kg) 1690
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC 24バルブターボ
総排気量(cc) 3638
最高出力(ps/rpm) 377/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 56.8/4200
燃料タンク容量(L) 75
変速機 6速MT
ステアリング形式 ボールナット
サスペンション ストラットコイル/マルチリンクエアー(前/後)
タイヤサイズ F235/45ZR17 R265/40ZR17



初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 ロータス オメガ(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : HIROMI TAKEDA/武田公実 photo : KIYOSHI NISHINO/西野キヨシ

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