80年代に377馬力!? の強心臓を持っていたセダン【1】ロータスが2度目に創った高性能サルーン|1991年式 ロータス オメガ

ドア開口部のスカッフプレートやリアエンドにはOMEGAの文字が入る一方、ボンネットのエンブレムはヴォグゾール。このクルマの複雑な来歴を物語る

       
1988年のジュネーブショーに突如現れた超弩級サルーン。それまで高性能車とはあまり縁のなかったオペル/ヴォグゾールから誕生した。
このクルマには、「LOTUS」という魔法の5文字が輝いていた。

【 1991年式 ロータス オメガ Vol.1】

 1964年に登場し「スポーツサルーン」というジャンルをひらいたモデルの1つとしても知られるロータス28コルティナ以来、長らく途絶えていた英ロータス・チューンのサルーン。その復活を果たさせたのは1990〜92年まで、総計でもわずか950台のみが生産された伝説の超高性能サルーンである。この時代GMグループと密接な関係を持っていたロータスが、英ヴォグゾール社および独オペル社とともに開発し、英国市場では「ロータス・カールトン」。ヨーロッパ大陸では「ロータス・オメガ」ないしは「オペル・オメガ・ロータス」と呼ばれた。

 ともに北米GMの傘下にあった英ヴォグゾールと独オペルは、1986年に両ブランドのアッパーミドルサルーンとして「ヴォグゾール・カールトン」と「オペル・オメガ」の姉妹車を誕生させる。カールトンは二代目。オメガは、長らく同社の中核モデルだった「レコルト」の後継モデルである。

 カールトン/オメガは、80年代にオペルが世界を先導した最新の空力的ボディを持つ一方でパッケージングにも優れるモデル。1988年に追加された最上級版「3000」では、3L直列6気筒エンジンが搭載されるなど、その内容はよりプレミアムに販売されていたメルセデス・ベンツやBMWにも匹敵する高度なものとされていた。

>>【画像21枚】LOTUSのロゴがカバーに入る、377bhp(約380ps)を発生する直列6気筒ツインターボエンジンなど




>> ドア開口部のスカッフプレートやリアエンドにはOMEGAの文字が入る一方、ボンネットのエンブレムはヴォグゾール。このクルマの複雑な来歴を物語る。





>> 空力的なノーズは先代レコルト/カールトンの時とは異なり、オペル/ヴォグゾール共通デザイン。






>> ツインターボから発生する熱を排出するアウトレット。





>> テールには専用のスポイラーとバンパーが装備される。


1991年式 ロータス オメガ


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4768×1812×1435
トレッド(mm) 1490/1535(前/後)
車両重量(kg) 1690
エンジン種類 水冷直列6気筒DOHC 24バルブターボ
総排気量(cc) 3638
最高出力(ps/rpm) 377/5200
最大トルク(kg-m/rpm) 56.8/4200
燃料タンク容量(L) 75
変速機 6速MT
ステアリング形式 ボールナット
サスペンション ストラットコイル/マルチリンクエアー(前/後)
タイヤサイズ F235/45ZR17 R265/40ZR17



【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 ロータス オメガ(全3記事)

関連記事:ハチマルユーロー

関連記事:ロータス

text : HIROMI TAKEDA/武田公実 photo : KIYOSHI NISHINO/西野キヨシ

RECOMMENDED

RELATED

RANKING