ショーカーから生まれた伝説のSUV【1】「このまますぐに市販してほしい」という声が噴出! 第30回東京モーターショーで注目を集めたコンセプトカー|1999年式 いすゞ ビークロス 175リミテッドエディション

ボディ下のスキッドプレートは純正。この個体はPIAA製のフォグランプを後付けするなど、よりオフローダーらしさを強調する。

       
ショーカーから生まれた異端児
伝説のクロスオーバーSUV

【 1999年式 いすゞ ビークロス 175リミテッドエディション Vol.1】

 1993年、第30回東京モーターショーで規格外の注目を集めたコンセプトカーがあった。それが「ヴィークロス」。それまでのクロカン4WDの主流だった無骨でタフなイメージは一切なく、エクステリアは滑らかな曲面を多用したスタイリッシュなデザイン。スペシャリティーカーと4WDのクロスオーバーという発想は斬新で、一般客だけでなく目の肥えた自動車業界の関係者からも絶賛の嵐。「このまますぐに市販してほしい」という声が噴出したのは有名な話だ。

 それから約3年半後の1997年3月、ついに市販モデルが発表された。名前は「ビークロス」。コンセプトカーから量産車へという流れは珍しいことではない。しかし、そのほとんどはコンセプトカーの面影をうっすら残しながらも姿を変えている。もしくは、市販前提のコンセプトカーである。そこがヴィークロスとの大きな違いで、ヴィークロスはまったく市販予定がなかったにもかかわらず、「あのとき」のままの姿で市販されたのだ。

>>【画像24枚】「Vehi-CROSS」ロゴ入りのレカロ製となる175リミテッドエディション専用のレッド×ブラックの2トーンレザーシートなど



>> 175リミテッドエディションは、グリル内の2本のキバにメタルパーツが装着される。ただ、標準車でも175仕様にしているオーナーが多いそうだ。






>> ビークロスの特徴でもあるFRP製ダークグレーパネルのボンネット。晴天時の照り返しを防ぐことが目的で、これはラリー参戦のノウハウからフィードバックされた。





>> リアスポイラーはダイハツ・テリオスキッド用純正品を加工して装着。適度な小振りさがビークロスのスタイルを損なわず、スポーティーさをプラスする。






>> リアの「ISUZU」デカールが立体となるのが175リミテッドエディションの特徴。同様にボディサイドの「Vehi-CROSS」も立体デカールとなる。






>> バックドア内にスペアタイヤを収納するのもビークロスの特徴。ラゲッジにはディーラーオプション品から型を取って自作したAVボックスを設置。そこに5.1chオーディオシステムなどをレイアウト。




1999年式 いすゞ ビークロス 175リミテッドエディション(V55W)


SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4075×1875×1915
ホイールベース(mm) 2420
トレッド(mm) 1590(前後とも)
車両重量(kg) 1990
エンジン型式 6G74型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 3496
ボア×ストローク(mm) 93.0×85.8
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 280 / 6500
最大トルク(kg-m / rpm) 35.5 / 3000
変速比 1速 3.789 / 2速 2.057 / 3速 1.421 /
4速 1.000 / 5速 0.731 / 後退 3.865
最終減速比 4.272
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ダブルウイッシュボーン / マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 265 / 70R16(前後とも)
発売当時価格 390.8万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1999年式 いすゞ ビークロス 175リミテッドエディション(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MAKOTO INOUE/井上 誠

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