日本に戻ってきた希少な北米仕様【1】国内最長の歴史を誇るランドクルーザーの、最初のターニングポイント|1988年式 トヨタ ランドクルーザー 北米仕様 標準ルーフ 4.0Lガソリン

1987年のマイナーチェンジで後期は角形4灯に。前期はキュートな丸形。ヘッドライトレンズ、ウインカーレンズ、メッキバンパーは新品に交換

       
ランクルの地位を確立したロクマル
日本に戻ってきた希少な北米仕様

【 1988年式 トヨタ ランドクルーザー 北米仕様 標準ルーフ 4.0Lガソリン Vol.1】

 クラウンと並んで国産車最長の歴史を誇るランドクルーザー。始まりは1951年にまでさかのぼる。この年、ランクルの始祖となるジープBJ(試作車)が誕生した。1953年に本格生産をスタートして1954年に車名をランドクルーザーに改名してから、1955年にランクル20、1960年にランクル40、1967年にランクル55へとその血統を受け継いでいく。もともとジープBJは警察予備隊(現・陸上自衛隊)に納入するために開発された車両だけあり、道なき道を行くヘビーデューティー・オフローダーとして圧倒的な走破性を誇っていた。そのDNAは後の世代にも受け継がれ、20では本家ウィリス・ジープに対抗して北米市場でも評価され、続く40も国内外でその実力の高さを知らしめている。

 そんなランクルのターニングポイントがランクル55だ。BJから40までヘビーデューティー路線を極めてきたが、55はホイールベースを2700mmに延長して乗り心地や居住性、快適性を向上。ステーションワゴンとしての色合いを強めた。40譲りの走破力と乗用車ライクなスタイルと乗り心地は北米市場のニーズにもマッチし、彼の地では「ムース(へら鹿)」の愛称で親しまれ、多くのファンを獲得した。


>>【画像22枚】トヨタ純正品の15インチのメッキホイールなど。タイヤはロサンゼルスで仕入れたホワイトリボンをインストールしている。60は全車にフリーホイールハブを装備



>> フェンダーのエアアウトレットは北米仕様専用。日本仕様にはないので、エクステリアのアクセントになる。






>> バックドアは写真の上下2分割開きタイプのほか、5対5分割の観音開きタイプも設定。日本仕様(後期)の場合、ハイルーフが前者、ロールーフが後者となる。なので、ロールーフ+上下開きバックドアは北米仕様の特権。





1988年式 トヨタ ランドクルーザー 北米仕様 標準ルーフ 4.0Lガソリン(HBSN2)

SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4673×1800×1750
ホイールベース(mm) 2730
トレッド前/後(mm) 1485 / 1470
車両重量(kg) 2032
エンジン型式 3F-E型
エンジン種類 直列6気筒OHV
総排気量(cc) 3955
ボア×ストローク(mm) 94.0×95.0
圧縮比* 8.1:1
最高出力(ps / rpm) 155 / 4000
最大トルク(kg-m / rpm) 30.4 / 3000
変速比* 1速 2.950 / 2速 1.530 / 3速 1.000 / 4速 0.717 / 後退 2.678
最終減速比* 4.111
ステアリング ボール・ナット
サスペンション リーフスプリング(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク /
リーディングトレーリング
タイヤ 225 / 75R15(前後とも)
発売当時価格* 202.2万円(1988年式GX標準ルーフ)
*は日本仕様の数値


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2016年 1月号 vol.33
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1988年式 トヨタ ランドクルーザー 北米仕様 標準ルーフ 4.0Lガソリン(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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