510オーナー・ミーティング2017【3】排ガス規制前のエンジン、コンパクトで軽い車体。人々を魅了してやまないブルーバード|1970年式 日産 ブルーバード1600 SSSクーペ、1972年式 ダットサン510

北米でも大ヒットしたスポーティーな510/1972年式 ダットサン510 珍しい2ドアセダンの左ハンドル仕様

       
【イベント振り返り 510オーナー・ミーティング 2017 Vol.3】

【2】から続く

 人々を魅了してやまないブルーバード。誰もがあこがれだったクルマを手に入れたと言う中、必然的にブルーバードを購入することになったというのは、今回の参加者の中で最も長い車歴を持つ、1600SSSのオーナー。

「1977年に購入したクルマですが、当時は安いということで、このクルマに決めたんです。もちろん、箱スカなんかにも乗りたかったのですが、カーショップで見つけたこのクルマをマルセン手形で購入しました。価格は18万円でしたよ。それからずっとこのクルマです」

 その時買ったクルマを乗り続けている。乗りたかったクルマでもないのに、どうしてここまで長く乗り続けてしまうのか。そこにはブルーバードの魅力が隠れているようだ。

「510ブルーバードは50年前のクルマですが、時空を超えた存在なんですよ。古いからとかではなく、510だから乗りたいんです。乗っていて気持ちよく乗れるクルマ。50年前に、それはクルマとして完成されていたんです」と代表は語る。

 長年、クルマを維持するなら5ナンバーが有利。そうすると2000cc以下の排気量となり、このサイズとのバランスがいいのは4気筒エンジン。そして、FRで4輪独立懸架と絞ってくると510ブルーバード以外、他に選ぶクルマがないと言う。そして時代的な背景もあって、さらにブルーバードのアドバンテージが上がっているという。


「ちょうど排ガス規制がかかる前のエンジンで、素直に反応してくれます。コンパクトで軽いし、アクセルレスポンスもいい。だから乗っていて楽しいんです。本当にこんなクルマはブルーバード以外にないと思います」と石川さんはその魅力を説明してくれた。 


>>【画像49枚】さまざまなカタログも披露された。北米仕様であったり、各時代ごとのカタログなど、今では珍しい資料ばかり。オーナーとして、そしてブルーバード愛を感じさせる収集力には驚かされる




走りはダートラからジムカーナーへ/1970年式 日産 ブルーバード1600 SSSクーペ

オーナーはブルーバード1600 SSSクーペに34年間乗り続けている。現在は大磯のジムカーナに出場しているというが、以前はラリーやダートラなどのモータースポーツを楽しんでいた。クルマをきれいに仕上げてからは、ちょうどいいタイヤがなかったというのも一つの理由だが、ジムカーナへの参戦が多くなった。いずれにしても走りを楽しんでいるのには変わりがない。長年乗っているのは、壊れないし、ちょうどいいサイズだからだという。現在はジムカーナ用にLSDを組み込んでいる。これからも長い付き合いが続きそうだ。




北米でも大ヒットしたスポーティーな510/1972年式 ダットサン510

珍しい2ドアセダンの左ハンドル仕様。通っていたクルマ屋に置いてあるのを以前から確認していた個体だったという。ショップオーナーが外装を仕上げたタイミングで購入を決めた。エンジンは2Lだが、ボアアップされ2.2Lになっている。エンジンの高さが上がってしまい、ストラットタワーバーを装着できなくなってしまった。キャブはソレックスφ44mm、ラジエーターはアルミの3層タイプを装着している。今回はスターロードの車高調整キットを組み込み、テストドライブ。硬いのになめらかに走る足回りに驚いたという。

INFORMATION/クルマ好きオーナーが集う、優しい雰囲気のレストラン



 今回ミーティングを行ったのは、レストランのマスターが長年乗り続けているR31スカイラインが目印の「レストラン キャニオン」。休みの日になると古いクルマのオーナーが集まってくる人気スポットだ。駐車場には先代から受け継いだ87年式コースターがある。今でも団体客の送迎に活躍している一台だ。ゆっくりとした時間が流れるような雰囲気の店内。人気のメニューはハンバーグとエビフライのセットメニュー。その他にもポークソテーやオムライスなどもおいしい。

レストラン キャニオン
〒300-4222 
茨城県つくば市下大島422-1
TEL029-867-0306
営業時間 11:00〜21:00(L.O. 20:30)
定休日 第1、3月曜(祝日は営業)




初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

510オーナー・ミーティング(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo : HIDENOBU TANAKA/田中秀宣

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