ケンメリ最終モデルのワンオーナー車【1】市場が求める広さと豪華装備を与えられたケンメリ|1977年式 日産 スカイライン 2000 GT-E Lタイプ エクストラ

後期型のフロントグリル。前期型の二分割タイプから、エンブレムとフィンにより上下左右に分けられたデザインとなっている

       
【1977年式 日産 スカイライン 2000 GT-E Lタイプ エクストラ Vol.1】

 1970年代前半まで続いた日本の高度経済成長は、スカイラインというクルマの哲学にも、大いなる変化をもたらした。2代目S50系や3代目C10を振り返ればわかるように、それまではレースでの好成績がそのまま基本性能の高さをアピールすることにつながり、販売台数の伸びに直結していた。ところが、徐々に大衆が求めるクルマ像にも変化が表れてきた。走行性能にのみ特化したクルマでは、多くの大衆の支持を集めることができず、車内の広さや装備に余裕のあるモデルが支持を集めるようになってきたのだ。

 この一連の流れに、日産も敏感に反応。1972年に誕生した4代目C110スカイライン、いわゆる「ケンメリ」に、市場が求める広さと豪華装備を与えることを決意する。


>>【画像18枚】ステアリングコラムの左には電動ミラーの調整用スイッチが設けられる等、あらゆるパートが電動化された時代のクルマだとわかる装備など




>> トランク左側にある「NAPS(ナップス)」のエンブレムは、排ガス規制適合車を表すもの。





>> ひと口に「GT-E」といっても、4ドアには「GT-E」、「GT-E・Lタイプ」、「GT-E・Lタイプ エクストラ」と、装備の違いによって3モデルがラインナップしていた。





>> 購入時にディーラーでリアバンパー下に貼ったステッカー類も、今なお健在だ。



1977年式 日産 スカイライン 2000 GT-E Lタイプ エクストラ(GC111)

SPECIFICATION 諸元
全長 4460mm
全幅 1625mm
全高 1395mm
ホイールベース 2610mm
トレッド前/後 1370 / 1350mm
最低地上高 165mm
室内長 1790mm
室内幅 1355mm
室内高 1135mm
車両重量 1200kg
乗車定員 5名
登坂能力tanθ 0.45
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 L20E型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 1998cc
ボア×ストローク78.0×69.7mm
圧縮比 8.6:1
最高出力 130ps / 6000rpm
最大トルク 17.0kg-m / 4400rpm
変速比 1速 3.321 / 2速 2.077 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 リサーキュレーティングボール
サスペンション前/後 ストラット式独立懸架 / セミトレーリングアーム式独立懸架
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 6.45S14-4PR
発売当時価格 135.2万円


【2】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年10月号 vol.183
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1977年式 日産 スカイライン 2000 GT-E Lタイプ エクストラ(全3記事)

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text : AKIO SATO/佐藤昭夫 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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