4ドアGT‐Rの最終と記載されていた番号をもつ1台|最後の4ドアGT-R!? 伝説を生み出した「狼」 2

70年式 日産 スカイライン 2000 GT-R


 オーナーの中垣幸春さんは、約7年前にこの4ドアGT‐Rを手に入れた。
知り合いの会社の駐車場でビニールシートをかぶされていたハコスカを見つけ、その会社の社長を通じてオーナーと交渉して譲ってもらったのだ。

 自動車検査証に記載された初度登録年月が昭和45年10月、車台番号がPGC10‐0011##。

 クルマはスカイライン2000GT-Rに間違いないようだったが、目の前にあったシルバーメタリックの4ドアのハコスカは、付いていないパーツも多く、相当くたびれていた……。


ハコスカGT-R サイド
3代目スカイラインのC10系では、リアタイヤの上、ボディサイドにある通称サーフィンラインが外観上の特徴だったが、4ドアGT-Rではレース時のタイヤ交換を容易にするため、サーフィンラインがバッサリと切り取られていた。


 だが、エンジンルームはホコリで真っ白。テールランプはユニットが外されて穴が開いた状態で、リアガラスもウエザーストリップがなぜかなく、ガムテープで雑にとめてあった。
聞いた話では、前オーナーが購入後、レストアを始めてバラしている途中で資金的に行き詰まり断念したとか。

 GT‐Rという名車の輝きがまったく失せた状態で、もの悲しい雰囲気すら漂っていた。
ハコスカ リアビュー 
同時期、L20型エンジンを搭載する2000GTには、前後のパンパーに2つのオーバーライダーが付いていたが、GT-Rでは最初から装着されていなかった。


 だが、中垣さんはこの個体をレストアする価値があると確信していた。

 S20型エンジンは、ヘッドカバーやキャブレターなどから白い粉がふき出ていたが、赤いエアクリーナーカバーはオリジナルの状態でそのまま残っていた。
 
 さらに車台番号は、ある書物で4ドアGT‐Rの最終と記載されていた番号そのもので、初度登録年月と合わせて「残さなければならない」個体だった。

ハコスカ コーションプレート
エンジンルーム内にあるプレートは、復刻版を装着する。


 購入後、中垣さんはGT‐Rを旧車専門店に持ち込んだ。前に所有していたハコスカの面倒を見てもらったことがあり、GT‐Rの再生を託そうと考えたのだ。
ところが、クルマを見たショップの社長の口から、思いがけない言葉が返ってきた――

ハコスカトランクルーム
トランクの中には、GT-R専用の100リットル燃料タンクとスペアタイヤが入っている。


掲載:ノスタルジックヒーロー Vol.143 2011年02月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

photo:Isao Yatsui/谷井功 Cooperation:クラシックカーナゴヤ

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