Zの鼓動|L24型の火は落ちることなく回り続ける|1971年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.2

サイドに取り付けられたエンブレムなどはレストア時に新品と交換されている

       
【1971年式 日産 フェアレディ 240ZG Vol.2】

【1】から続く

 このままではいけないと、オーナーは自分のコブラが売れたら譲り受けるという条件で、話を進めていった。そして、クルマが売れて、このフェアレディ240Zがやってきたのだった。湿気を嫌うクルマということで、ガレージを建てて、大切なクルマを迎えた。

 前オーナーがしっかりとレストアをしていたおかげで、ほとんど手を入れるところはなかったという。しかし、エンジンの調子は悪く、主人を失ったクルマ特有の不具合が出ていた。




>> 車両購入のきっかけとなったのが純正エンジンであったこと。特にSUツインキャブ、エアクリーナーボックスがノーマルであったことは珍しい


 といっても、メンテナンスしたことは、アーシングをし、きれいに磨き上げる程度。あとは、積極的に乗ることを心がけたという。「クルマは乗ってやることが大事」とエンジンを回し続けた。
 そんなクルマとの付き合いを1年間続け、ようやくエンジン本来のパワーを感じられるように。もともとサーキット走行をしていただけに、スポーツドライビングが大好きなオーナー。フェアレディZのエンジンをしっかりと回す走りに、古くからのコブラ仲間からは「クルマを壊すのではないか?」と心配の声が上がったほどだ。

>>【画像21枚】レース経験を積んできたオーナーにとって、クルマのシートベルトに対するこだわりは強い。サーキットレースで使用されるRJS Racing Equipment社製5点式シートベルトを装着している。サイドに純正の証である日産のマークが刻印されているヘッドレストなど



>> 型式HS30の文字が見える。頭についているHはL24型エンジン搭載車であることを示す。





>> レストア時にビスの1本まで新品に交換されたという下回り。よく走っているクルマながら、非常に美しい状態を保っているのには驚かされる。






>> L24型の火は落ちることなく回り続ける。

1971年式 日産 フェアレディ 240ZG(HS30)


SPECIFICATION 諸元
全長 4305mm
全幅 1690mm
全高 1285mm
ホイールベース 2305mm
トレッド前/後 1355mm / 1345mm
最低地上高 160mm
室内長 835mm
室内幅 1390mm
室内高 1070mm
車両重量 1010kg
乗車定員 2名
最高速度 210km / h
登坂能力tanθ 0.467
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 L24型
エンジン種類 水冷直列6気筒SOHC
総排気量 2393cc
ボア×ストローク 83×73.7mm
圧縮比 8.8:1
最高出力 150ps / 5600rpm
最大トルク 21kg-m / 4800rpm
変速比 1速 2.906 / 2速 1.902 / 3速 1.308 / 4速 1.000 / 5速 0.864 / 後退 3.382
最終減速比 3.900
燃料タンク容量 60L
ステアリング形式 ラックアンドピニオン
サスペンション 前後ともストラット式独立懸架
ブレーキ 前/後ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ 前後とも175HR-14
発売当時価格 150万円



【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年8月号 Vol.182
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 フェアレディ 240ZG(全3記事)

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【1】から続く

text:KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo:SATOSHI KAMIMURA/神村聖

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