ライバルに道をあけることのなかった 日産 スカイライン HT 2000ターボ GT-EL


 「名ばかりのGTは道をあける」
TA45セリカのCMであまりに有名なこのキャッチコピーは、排ガス規制をDOHCで乗り切ったトヨタが同時代にOHCで排ガス規制をかわしていたスカイラインジャパンを揶揄したものといわれる。

 もちろんトヨタが排ガス規制のなか高出力エンジンを開発できたわけではない。DOHCをツインカムというキャッチーな言葉にすることで、わかりやすく高性能エンジンをユーザーに訴えかけたのだ。

 これが功を奏して「エンジンのトヨタ」のイメージを作りあげることに成功。そのトヨタのツインカムに対して日産はターボで対抗。ここからはじまるトヨタのツインカムと日産のターボとの対立はツインカムターボの登場まで続いた。



後期型の特徴である角形2灯ヘッドランプ。


 排ガス規制の中、一見不毛に思えるこの対立だが、実はクルマの発展に大きく寄与している。80年代に入ると排ガス対策に追われた70年代から解放されるかのようにクルマは大きく変化。

 スカイラインジャパンも例に違わず、キャブレターからインジェクションとなり、前述したようにターボチャージャーを装備。エンジンだけでなく発売後3年で丸形4灯式ヘッドライトは角形2灯式ハロゲンヘッドライトに。

70タイヤが登場し、リアワイパーやヘッドランプウオッシャーなども追加されエアコン、カセットデッキ、パワーステアリングが選択できるようになった。




アウインドーも開けるとハードトップ独特の広い開口部を実感できる。バイザーには小さくSkylineの文字。



スカイラインジャパンには数多くのグレードが存在する。GT、GT-Eを基本に装備品の違いでLタイプ、Sタイプなどのグレードが存在していた。


ノスタルジックヒーロー Vol.143 ノスタルジックヒーロー2011年 02月号(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

text:Nostalgic Hero/編集部 photo:神村 聖

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