マツダ コスモスポーツ変化の変遷【エンジンルーム 内装 ディテール】プロトタイプでは異なっていたメーター配列|最終プロトタイプ・前期・後期でどこが違うのか|マツダ コスモ スポーツ 後期型(L10A)主要諸元付き

前期後期に加え、今回は最終型プロトタイプを比較(プロトタイプも種類がある)

       

最終プロトタイプ・前期・後期でどこが違うのか

1960年代、これほどまでにユーザーを期待させたモデルがあったであろうか。早い段階からエンジン開発がスタートし、モーターショーではプロトタイプの姿を数回にわたり披露してきた「コスモ スポーツ」。1967年から1972年まで販売された、人々の記憶に残るスタイリングだった。今回は最終プロトタイプから前期、後期をへて進化したその姿を振り返ってみた。

【 コスモ スポーツの進化 Vol.3 エンジンルーム 内装 ディテール】

【2】から続く


エンジンルームは世代によって補機類の形状や取り付け位置が違う。プロトタイプにはディストリビューターが上部に一つしか見えないが、もう一つはオルタネーターの下あたりに配置されている。エアクリーナーカバーも後期型のみ形状が違っている。エンジンはすべて491cc×2の2ローター・ロータリ―、10A型が搭載されている。


型式は後期型のみL10B。原動機型式は共通の10A。後期型のプレートにはロータリーエンジンという表記も見られる。保安基準適合など、時代によって記載内容に違いがあるのも興味深いところ。


プロトタイプの室内は量産モデルと大きく違っている。メーターパネルがアルミで覆われ、空調の切り替えレバーが右側にある。センターのパネルが手前に折れ曲がっているデザイン。パーキングブレーキレバーは後期だけがセンタートンネルの右側に配された。


量産車は右がタコメーター左がスピードメーターだが、プロトタイプでは逆になり、デザインも違っている。量産モデルの黒いパネルは反射をなくした防眩仕上げで、並ぶ7連メーターの視認性も高い。プロトタイプの電流計などはメーターパネル中央に配置される。


コスモ スポーツは千鳥格子のシートが特徴的だが、プロトタイプには黒いビニールレザータイプが装着されている。後期型にはヘッドレストが追加され、センターコンソールボックスも装備されている。プロトタイプのみギアシフトノブ手前に小さな小物入れが付いている。


シフトカバー形状はどれも似ている。どの世代もドライバーが軽く手を伸ばした位置にシフトノブが配置され、ドライビングがしやすい。トランスミッションは後期のみ5MTを採用している。前期型の4MTから後期型の5MTに載せ替えるユーザーも多くいたという。


>> 【画像22枚】大きな違いはないリアから眺めたシルエットだが、外装の変更点としては、プロトタイプではキーシリンダーがトランクフード付近にないこことがあげられる

マツダ コスモ スポーツ 後期型(L10A)

SPECIFICATION 諸元
全長 4130mm
全幅 1590mm
全高 1165mm
ホイールベース 2350mm
トレッド前/後 1260 / 1250mm
最低地上高 125mm
車両重量 960kg
乗車定員 2名
最高速度 200km / h
登坂能力 tanθ0.554
最小回転半径 5.2m
エンジン型式 10A型
エンジン種類 水冷2ローター・ロータリー
総排気量 491cc×2
圧縮比 9.4:1
最高出力 128ps / 7000rpm
最大トルク 14.2kg-m / 5000rpm
変速比 1速 3.379 / 2速 2.077 / 3速 1.390 / 4速 1.000 / 5速 0.841 / 後退 3.389
最終減速比 4.111
燃料タンク容量 57L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 独立懸架筒型複動オイルダンパー・コイルバネ / 独立懸架筒型複動オイルダンパー半楕円形板バネ
ブレーキ前/後 ディスク / リーディング・トレーリング
タイヤ前後とも 155HR15ラジアル
発売当時価格 158万円



【1】【2】から続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年8月号 Vol.182
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

コスモ スポーツの進化(全4記事)

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text : KEISHI WATANABE/渡辺圭史 photo : RYOTA SATO/佐藤亮太, ISAO YATSUI/谷井 功

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