サーキット走行をする場合もしない場合も、街乗りが快適に走れることは絶対条件|1977年式 スカイライン HT 2000 GT-X Vol.5

スターロードが追求するケンメリR仕様の最新セオリー「快適で、乗りやすく」を見事に実現!

       
旧車といえば、誰もがかっこいいと感じる普遍的なデザインが魅力。しかし、現代の基準に照らせば、あまり快適ではないのは確かで、ネガティブな要素もないわけではない。だが、今回紹介するスターロードが作り上げたケンメリは、そんな苦労とは一切無縁。最新のパーツと独自のノウハウを駆使して、モダンなコンフォートドライブを可能とした1台になっている。

【1977年式 スカイライン HT 2000 GT-X Vol.5】

【4】から続く

 また、オーナーも特に気に入っているという乗り心地のよさには、スターロード・オリジナルのサスペンション・セッティングも大いに貢献している。ダンパーには減衰力の30段調整機能が付いたフルタップ車高調(リアはショートショック)を使用し、適度にローダウン。アッパーマウントにはボールベアリングが内蔵されているため、電動パワステとの相乗効果で、ハンドリングがさらに軽やかになり、高速走行時でも、ステアリング操作に緊張することがなくなったそうだ。

 車高を落とすことで発生するジオメトリーの狂いも、リアのトーやキャンバーの調整を可能とするスターロード・オリジナルのフリーアジャストメントアームで適正なアライメントに調節。一部のブッシュはピロボールとなっており、シャキッとした乗り味を生み出すことにも成功している。

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 そしてもちろんホイールはスターロード・オリジナルブランドであるGLOWSTARをセット。ブラックカットディスクとブロンズアルマイトリムの組み合わせで、大人の色気が演出されている。さらにフロントブレーキもスターロード・オリジナルの鍛造4ポットキャリパーキットを装着して、制動力とブレーキタッチを向上。見た目をかっこよくさせるだけでなく、しっかり走って、しっかり止まるという運動性能も高められているところが、さすがである。

「サスペンションのセッティングは街乗りオンリーなのか、サーキットも走るのかで多少変わる部分もありますが、いずれにしても街乗りが快適に走れることは絶対条件としてハズしません。このケンメリも、峠くらいは今のままでも十分気持ちよく走れる仕様になっています。サーキット仕様なら、専用の減衰力で製作しますよ」と井上さん。




スターロードのオリジナルサスペンションは30段の減衰力調整が可能。フロントにはピロアッパーマウントも付属される。





フロントブレーキはスターロードの鍛造4ポットキャリパーキットを装着。φ286mmベンチローターが組み合わせられ、ストリート用パッド、強化ホースも導入。






リアはショートダンパーと車高調整アダプター付きスプリングが組み合わされる。





ローダウンによってアライメントが変化しやすいリアサスのアームを、フリーアジャストメントアームに交換。これでトーやキャンバーの調整が可能となる。


1977年式 スカイライン HT 2000 GT-X(KGC110)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:フルレストア、GT-R仕様
■エンジン: L28型改3.0L仕様
【ヘッド】燃焼室加工(含容積合わせ)、カッター跡修正・形状修正、ヘアライン仕上げ、ポート拡大加工(オリジナル形状INヘアライン仕上げ/EX半鏡面仕上げ)、水圧テスト、上面修正/下面面研、77.5度カムシャフト(リフト9.3mm)、INφ45/EXφ36.5mm-118mmビッグバルブ、ABB/PBBバルブガイド、SPL形状シートカット(カムシャフトセンター基準にて)、ハイリフト対応ハイレートバルブスプリング、オフセットリテーナー(特殊鋼)、強化バルブコッター(タフトライド処理)、クロモリロッカーガイド
【ブロック】φ89mm鍛造ピストン(PH29mm:重量バランス取り(0.5g以内)、L=140mmI型断面コンロッド(重量バランス取り0.5g以内)、L28型クランク/1本キー加工/曲がり修正/ダイナミックバランス/ジャーナル&ピンラッピング、ブロック上下修正面研、ダミークランク&ダミーヘッドボーリング、ARP製強化クランクキャップボルト、シリンダーパルホスM処理、ニスモ製レース用メタル、強化オイルポンプ、強化クランクプーリーボルト、水穴プラグキャップ(全部入れ替え)
■吸気系:ソレックス44PHH×3
■排気系:STARROAD製φ48mmフル等長タコ足/ローダウンマフラー
■点火系:マロリー製デスビ
■冷却系:STARROAD製3層オールアルミラジエーター、セトラブ製25段オイルクーラー(φ12mm)
■電気系:STARROAD製ブラックオルタネーター
■駆動系:ORC製シングルクラッチキット、FS5W71Cミッション(ニスモ製セミクイックシフト)、R200デフ(フルOH、ニスモLSD)
■サスペンション:STARROAD製(F)フルタップ車高調30段 (R)フルタップ30段ショートショック/フリーアジャストメントアーム
■ブレーキ:(F)STARROAD製鍛造4ポットキャリパーキット
■インテリア: STARROAD製クーラーキット、BRIDE製GIAS2(CFRP)×2、日本精機Defi ADVANCE A1φ80mm タコメーター(外周リング製作)/φ60mm油温/油圧/水温計、Autometer製燃圧/燃料/電圧計、MOMO製JETステアリング
■タイヤ:ヨコハマ アドバンタイプD (F)205/50R15 (R)225/50R15
■ホイール:GLOWSTAR(ブラックカットディスク/ブロンズアルマイトリム (F)15×9J -15(Aディスク) (R)15×10J -53(Oディスク)


【6】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年8月 vol.017
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1977年式 スカイライン HT 2000 GT-X(全6記事)

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【1】【2】【3】【4】から続く

text : HIDEO KOBAYASHI/小林秀雄 photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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