脱定番S31Z【1】定番メニューからの脱却! スピードフォルムのエアロで、自分仕様を目指すチューンを開始へ|1975年式 日産 フェアレディZ

スピードフォルムの張り出し感をおさえたオーバーフェンダーは、カーボンタイプを装着。

       

定番メニューからの脱却!

2018年の東京オートサロンで、多くの旧車ファンに熱い視線を浴びたZがある。「モーターズ バイ シェイプ」が手がけた、この先鋭的なフォルムのS31がそれだ。オーナーが待ちわびる中、3年の時を経てようやく目覚めた美しき貴婦人。走り重視のダイナミックなスタイリングと、イメージを際立たせるボディカラーが、高貴なルックスを一段と魅力的に見せる。

【1975年式 日産 フェアレディZ Vol.1】

 このZのオーナーが、Zに夢中になったのは小学生低学年の頃。それから約30年、オーナーは再びZ熱が再燃した。旧車の知識が乏しい中、手に入れたのは前オーナーによってモディファイされたS31Z。白いボディにRSワタナベのホイールを履かせ、エンジンはL28型改の3.0L仕様と定番メニューでチューニングされていた。しかしオーナーと、そのZとの付き合いはあまり長くは続かなかった。

 そして、次に巡り合ったのが現在のZだ。放置された不動車だったが、オリジナル状態に近く、ワンオーナーカーで素性がしっかりとしており、一から作り上げるにはベストといえるベース車だった。誰かが仕上げた仕様をそのままで乗っていた1台目から一転、2台目はベース車選びから慎重に、自分仕様を目指すチューンを開始する。この時、オーナーが掲げたZのチューニングテーマが「シーンを問わず本気で走れる、かつてないZ」。そして製作は、以前から交流のあった川内誠代表率いる「モーターズ バイ シェイプ」に依頼。脱定番チューンをモットーとする理念に共感してのことだ。


>>【画像27枚】フェンダーアーチ全体を覆うスピードフォルムのオーバーフェンダー。17インチホイールの装着も許容する設計となっていて、装着にはチタン風ビスで固定しているサイドビューなど




>> ホイールはボルグレーシングTE37V BAの17インチ。フロント17×9J -15、リア17×10.5J -25。
 



>> ブレーキはブレンボで強化。キャリパーは4ピストンでローターは2ピースのφ300mmスリット入り。ハードなサーキット走行も余裕で対応するポテンシャルを誇る。





>> マフラーの消音器をすっぽり覆うボリューミーなリアアンダースポイラー(TYPE1)は、ダクトを設けることでパラシュート効果を防止するデザイン。マフラーはS30系だからこそ似合うフジツボ製の縦デュアルを装着する。


1975年式 日産 フェアレディZ(S31)
SPECIFICATIONS 諸元
■エクステリア:ボディフルレストア、モスグリーンオールペイント、スピードフォルム製フルボディキット
■エンジン:L28型改3.0L仕様(N42ヘッド+F54ブロック:2947cc)、加工カム(8.1mmリフト)、純正加工スライド式カムスプロケ、亀有製φ89mmストリートピストン/1.0mmヘッドガスケット、バルブ突き出し量41.4〜41.58、バルブスプリングセット長40.1〜40.48、ヘッド容積41.5〜41.8ml、圧縮比10.7〜10.8、
■点火系:和光テクニカル製スーパーZコイル、IC内蔵オルターネーター亀有製デスビ+MDI、リビルトダイナモ
■吸気系:ソレックス44PHH(オーバーホール済み)
■排気系:ファクター製タコ足、フジツボ製タテデュアルマフラー
■燃料系:BOSCH製燃料ポンプ、燃料レギュレーター
■冷却系:HPI製オイルクーラー
■駆動系:強化クラッチ、71Cミッション
■足回り:ファクター製車高調
■ブレーキ:(F)ブレンボ製4ポットキャリパー+φ300mmローター
■タイヤ: ダンロップDIREZZA ZⅢ(F)205/45R17 (R)225/40R17
■ホイール:レイズ ボルクレーシングTE37V BA(F)17×9.5J -15 (R)17×10J -20
■内装:レース用ワイドミラー、ナルディ製ステアリング、ダッツンコンペシート×2、日本精機Defiメーター(タコ、水温、油温、油圧)、燃圧計、オートメーター(燃料、A/F、燃圧)カロッツェリアヘッドユニット/スピーカー、StP製制振シート(デッドニング処理)、クスコ製タワーバー



【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年8月 vol.017
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1975年式 日産 フェアレディZ(全4記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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