ビスカスLSDも装備。高い走行性能で玄人を満足させた、光り輝くスポーティーセダン|1990年式 マツダ ルーチェ 4ドア ハードトップ 3000 V6 DOHC リミテッド グランツーリスモ Vol.1

ヘッドライトはフォグランプ内蔵。3Lモデルは大型バンパーが装着され、全長を100mm以上拡大。

       
【1990年式 マツダ ルーチェ 4ドア ハードトップ 3000 V6 DOHC リミテッド グランツーリスモ Vol.1】

 1980年代に入り、エレクトロニクスの分野が大きく進歩した。トヨタを例にすると、グラフィカルなデジタルメーターや燃費などを表示するドライブコンピューター、ショックアブソーバーの減衰力を自動調整するTEMS、エンジン統合制御のTCCSなど、さまざまな部分にマイクロコンピューター制御が取り入れられた。もちろん、日産などの他メーカーも同様だ。これらの先進装備は高級車の代名詞となり、競い合うように各車に採用。ぜいたくさや豪華さを分かりやすく演出できるアイテムとして瞬く間に広まった。

 一方で、それらの高級車とは違ったカタチで高級車のあり方を示そうとしたクルマがある。それがルーチェだ。

 1986年9月にデビューした5代目ルーチェは、それまで同様、マツダの最高級車としての役割が与えられた。ボディサイズは5ナンバー枠いっぱいにまで拡大され、車格は4代目よりも1クラスアップ。クラウンやセドリック&グロリアをライバルとするようになる。しかし、車格ではそれらと肩を並べるようになったが、ルーチェの設計思想は大きく異なる。マツダが高級車に求めたものは、「安心感と安らぎの提供」だった。

>>【画像20枚】特徴的なドアグリップがついた、本革仕立てとなるドアトリムなど



グランツーリスモはメッシュタイプの専用グリルを装着。イタリア語で「光」、「輝き」を意味するルーチェ。エンブレムはそれを表すデザインとなる。





マイナーチェンジでリアコンビランプのデザインを変更。3Lモデルはリアバンパーも大型化。


1990年式 マツダ ルーチェ 4ドア ハードトップ 3000 V6 DOHC リミテッド グランツーリスモ(HCSS)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4820×1705×1395
ホイールベース(mm)  2710
トレッド前/後(mm) 1440 / 1450
車両重量(kg)  1500
エンジン型式  JE型
エンジン種類 V型6気筒DOHC
総排気量(cc) 2954
ボア×ストローク(mm) 90.0×77.4
圧縮比 9.5:1
最高出力(ps / rpm) 200 / 6000
最大トルク(kg-m / rpm) 26.5 / 4500
変速比 1速 2.841 / 2速 1.541 / 3速 1.000 / 4速 0.720 / 後退 2.400
最終減速比 4.100
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / マルチリンク
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205 / 60R15(前後とも)
発売当時価格 317.7万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1990年式 マツダ ルーチェ 4ドア ハードトップ 3000 V6 DOHC リミテッド グランツーリスモ(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : SATOSHI KAMIMURA/神村 聖

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