90年代に4.5リッターV8 搭載!「スポーツカーの性能を隠し持つプレステージパフォーマンスサルーン」|1991年式 日産 インフィニティ Q45 セレクションパッケージ Vol.2

センタークラスターを運転席側に傾斜させ、高級サルーンといえどもドライバーズカーの雰囲気を大切にしたインパネ。「触感の統一」を図り、ステアリングとシフトノブは一頭の牛から採った革で仕立てられている。

       
【1991年式 日産 インフィニティ Q45 セレクションパッケージ Vol.2】

【1】から続く

 エンジンは、新たに開発された4.5L V8のVH45DE型。「新しい高級車のスタンダード」の主張として、スポーツカー並みの動力性能と高級車にふさわしい静粛性や信頼性を備える同エンジンは、アルミ製ブロックや可変バルタイなどを取り入れ、「スポーツカーの性能を隠し持つプレステージパフォーマンスサルーン」にふさわしいフィーリングを達成。最新技術を駆使したサスペンションと相まって、日産が得意とするドライバーズサルーンらしい走りの良さを実現したのだ。

 そして、従来の高級車とはかけ離れた、斬新なエクステリアデザインも特徴だ。それまで、大きなフロントグリルが高級車の証とされてきたが、Q45ではあえてグリルレスマスクを採用。その代わり、日本の伝統工芸である七宝焼のエンブレムを装着し、新しい高級車の顔を主張している。その一方で、こういった独自性の強いデザインに賛否両論があったことも事実。しかし、そんなオリジナリティーあふれるデザインにほれ込んだのが、オーナーである。

>>【画像19枚】最高許容回転は6900rpmと、大排気量エンジンとしては異例の高回転型で、スポーツ性を基調としながら、高級車の基本である優れた静粛性や信頼性、安心感を持ち合わせたVH45DE型エンジンなど。



シフトセレクターはゲート式。今では珍しくないが、当時の国産車としては斬新だった。





シフトレバー後方には、油圧アクティブサスペンションの車高調整スイッチと、オプションのコーナーポールの操作スイッチが備わる。





立体バネや新開発樹脂マットを用いたフロントシートは、適度な固さとホールド感を持ち、長距離走行時の疲労を軽減。ベースグレードはウール素材だが、その他は本革が標準。





リアシートのセンターコンソールには、ラジオやエアコンのほか、ピュアトロンのスイッチも備わる。





インパネやシート、ドアトリムを濃色にし、天井を淡色とすることで、落ち着いた空間を演出。サンルーフは全車標準装備で、スライド&チルトが可能だ。



1991年式 日産 インフィニティ Q45 セレクションパッケージ(HG50)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 5090×1825×1425
ホイールベース(mm)  2880
トレッド(mm) 1570(前後とも)
車両重量(kg)  1840
エンジン型式  VH45DE型
エンジン種類 V型8気筒DOHC
総排気量(cc) 4494
ボア×ストローク(mm) 93.0×82.7
圧縮比 10.2:1
最高出力(ps / rpm) 280 / 6000
最大トルク(kg-m / rpm) 40.8 / 4000
変速比 1速 2.784 / 2速 1.544 / 3速 1.000 / 4速 0.694 / 後退 2.275
最終減速比 3.538
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション マルチリンク(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク / ディスク
タイヤ 215 / 65R15(前後とも)
発売当時価格 634.0万円


【3】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 日産 インフィニティ Q45 セレクションパッケージ(全3記事)

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【1】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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