グッとリアを沈み込ませて加速していく姿が印象的だったバブルの象徴|1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV Vol.1

マイナーチェンジでグリルデザインを変更。横桟の本数を増やして高級感をアップした。バンパーのサイド(タイヤ前)にあるのはコーナリングライト。

       
【1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV Vol.1】

「バブルを象徴する一台は?」。そう問われたら迷わずこう答える。「シーマ」だと。それほどにY31シーマはセンセーショナルなクルマだった。

 1988年1月にデビューを果たしたY31シーマは、セドリック&グロリアの上級車種に位置付けられ、3ナンバー専用車として開発。新たな日産のシンボルとなったシーマには、最先端の技術や装備が惜しげもなく投入されたことはもちろんだが、静粛性や快適性、たとえばドアの開閉音ひとつとっても、最上級パーソナルサルーンとして徹底的にこだわり抜かれ、高級車の価値観を作り替えた。また、伸びやかで丸みを帯びたスタイリングを採用し、新時代の到来を予感させたのだった。

 加えて、VG30DET型エンジンを核とする動力性能の高さも忘れてはいけない。フロントが浮き上がりそうなほど……と言ったら少々大げさだが、グッとリアを沈み込ませて加速していく姿を強烈に記憶している読者も多いことだろう。

>>【画像18枚】楕円形デザインのアナログメーターが標準で、後期からデジタルメーターがオプション設定されたメーターパネルなど



ボンネット上にアカンサスのエンブレムが装着される。





ドアミラーワイパーはシーマを象徴する装備のひとつ。タイプⅠ以外に標準装備。





ピラーレスハードトップはこの時代を象徴するポイントのひとつで、そのスタイルはやはりカッコいい。ボディは高い撥水性を持つフッ素樹脂塗装のスーパーファインコーティングを全車に採用する。





社会現象をも巻き起こして、時代を作ったバブルの象徴。


1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV(FPAY31)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4890×1770×1380
ホイールベース(mm)  2735
トレッド前/後(mm) 1500 / 1520
車両重量(kg)  1670
エンジン型式  VG30DET型
エンジン種類 V型6気筒DOHCターボ
総排気量(cc) 2960
ボア×ストローク(mm) 87.0×83.0
圧縮比 8.5:1
最高出力(ps / rpm) 255 / 6000
最大トルク(kg-m / rpm) 35.0 / 3200
変速比 1速 2.784 / 2速 1.544 / 3速 1.000 / 4速 0.694 / 後退 2.275
最終減速比 3.900
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ストラット / セミトレーリングアーム
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 205 / 65R15(前後とも)
発売当時価格 471.5万円


【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1991年式 日産 グロリア シーマ タイプⅡ リミテッド AV(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : MOTOSUKE FUJII(SALUTE)/藤井元輔(サルーテ)

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