開発期間6年、クレイモデル50台弱、プロトタイプ450台以上、全走行テスト350万km以上という開発日程を経て完成した新しい世界基準|1993年式 トヨタ セルシオ C仕様 Fパッケージ Vol.1

威圧感たっぷりのフロントマスクは一見するとノーマルに見えるが、ヨーロッパ仕様の4灯ヘッドライトやフォグ付きバンパーなどを装着。グリルもLS400純正だ。

       
【1993年式 トヨタ セルシオ C仕様 Fパッケージ Vol.1】

 国産車の長い歴史のなかで、クラウンやセドリック/グロリアなど、さまざまな高級車が生まれてきた。しかし、これほどまでに世界を意識し、欧米のサルーンと対等に渡り合えたのはセルシオが初めてだろう。

 もともとは、トヨタが北米で新たに展開した高級車ブランド「レクサス」のLSとして先行デビュー。日本国内では、1989年10月にリリースされた。「ワールドワイドで通用する世界トップレベルのハイパフォーマンスラグジュアリーカーの創造」を基本コンセプトとして開発されたセルシオは、エンジン、サスペンション、ボディと、すべてにおいてトヨタが持つ当時最高の技術を注入。さらに、徹底的な走り込みを行うために、北海道士別市に広大なテストコースを作ってしまったのだ。そして、開発期間6年、クレイモデル50台弱、プロトタイプ450台以上、全走行テスト350万km以上という開発日程を経て完成したのである。

>>【画像19枚】リアシートは、まさにVIPのためのスペース。Fパッケージには、パワーシートやバイブレーター機能も備わる。助手席の前傾と前方スライド、ヘッドレストの前倒しが行える装備、パッセンジャーシート制御システムなど




高級車の新しい世界基準を作った、究極のプレステージサルーン



本革のアイボリー内装の場合ガラスはブロンズになるが、オーナーのこだわりで全面グリーンガラス化。合わせてサンルーフもブルーガラスに交換。





ごく自然に装着されているが、テールフィニッシャーはホンダS2000純正。同じ楕円形状だがサイズがずいぶんと大きいので、後続車に与える印象も異なる。



1993年式 セルシオ C仕様 Fパッケージ(UCF11)
SPECIFICATIONS 諸元
全長×全幅×全高(mm) 4995×1830×1410
ホイールベース(mm)  2815
トレッド(mm) 1565(前後とも)
車両重量(kg)  1830
エンジン型式  1UZ-FE型
エンジン種類 V型8気筒DOHC
総排気量(cc) 3968
ボア×ストローク(mm) 87.5×82.5
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 260 / 5400
最大トルク(kg-m / rpm) 36.0 / 4600
変速比 1速 2.531 / 2速 1.531 / 3速 1.000 / 4速 0.705 / 後退 1.880
最終減速比 3.916
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ダブルウイッシュボーン(前後とも)
ブレーキ ベンチレーテッドディスク(前後とも)
タイヤ 225 / 60R16(前後とも)
発売当時価格 654.0万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1993年式 トヨタ セルシオ C仕様 Fパッケージ(全3記事)

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text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : RYOTA-RAW SHIMIZU/清水良太郎

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