西部警察|スーパーZ|本物と見まがうほどの仕上がりに感じ入るオーナーの「スーパーZ愛」|S130 フェアレディZ 280 Vol.3

フルオートガルウイングと高い戦闘力を誇る、特別機動車両のエース。

       
【席巻!!  軍団車輌 <中部軍団と北部軍団の競演>】
派手なカーチェイスに銃撃戦、画面いっぱいに炎が広がる爆破シーン、そして男たちの熱い絆……。
1980年代に放送されて全国を熱狂の渦に巻き込み、今では伝説として語られている刑事ドラマ「西部警察」。
そんな西部警察をこよなく愛するファンが作ったレプリカ車両たちを余すところなく紹介しよう。

【スーパーZ・S130 フェアレディZ 280 Vol.3】

【2】から続く

 ただし、しょせんレプリカと言うなかれ。このスーパーZを作り上げるにはどれほどの労力とコスト、熱意と愛情が注がれたかを想像すれば、レプリカであることは興を削ぐより、むしろ敬服に値するはずだ。また、インテリアに目を向けても、今さっきまで大門団長が握りしめていたかのようにAピラーから伸びる無線用のマイクのほか、各種装備の操作スイッチまで、軍団が引き上げたばかりの現場に迷い込んだかと錯覚させるほど見事に再現されている。そして、本家・石原プロよりお墨付きをいただいたとのことだが、それも納得のクオリティー。オーナーの「スーパーZ愛」には脱帽するしかない。そして、ここまでしようと決意させる、スーパーZの魅力と偉大さを改めて痛感させられた。

 一方、このクルマがブラウン管の中を駆け巡ったオリジナルではないことを証明する、最大の相違点がある。それが、センターコンソールにそびえ立つ5速MTのシフトレバーだ。劇中で登場するスーパーZは3速AT車だった。それは、小樽にある石原裕次郎記念館に展示された実車でも確認済みだ。西部警察では、出演俳優自ら運転するシーンも多く、より撮影に注力するために3速AT車が選ばれたと言われている。そして実際に3速AT車が使われのだが、このレプリカは紛れもない5速MT車なのだ。

 このように、本物と明らかに異なる部分があるのだが、それ以外は本物のスーパーZと見まがうほどの仕上がり。ミッションの違いなど、じつに小さなことなのである。

>>【画像21枚】マフラーは左右に2本ずつと中央に1本の計5本が確認できる。しかし実際にマフラーとして機能しているのは中央の1本のみで、そのほかはすべて煙幕発射装置となるマフラーエンドなど



軽量なアクリルガラスを用いたガルウイングのヒンジ部分は、このような構造。製作に当たっては、ヒンジの角度を適正化するのに苦労したそうだ。





全自動のガルウイングは、油圧ダンパーを使用して開閉させる。





車外からドアを開ける場合は、Bピラーにあるシリンダーにキーを挿してガルウイングを跳ね上げ、その後ドア上面に設置されているこのノブで開けることができる。




※記事内の赤色灯は画像処理したものです。


初出:ハチマルヒーロー 2015年 09月号 vol.31
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

スーパーZ・S130 フェアレディZ 280(全3記事)

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【1】【2】から続く

text : Rino Creative/リノクリエイティブ photo : KIYOSHI ICHIKAWA/市川 潔

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