リアのみ、前後4枚。オバフェンとタイヤサイズの新たな関係。前後異径スタイルのハコスカR仕様|1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT Vol.1

スピードフォルムのオーバーフェンダーは、純正フェンダーのプレスラインからボトムにかけて一気に幅が細くなり、ボディに密着するのが特徴。存在感を残しつつステアリングの切れ角に影響を与えにくいデザイン。

       
1970年、ボディを4ドアから2ドアに変更し登場したハコスカHT GT-R。オーバーフェンダーを装着した精かんなスタイリングは一躍人気を博し、以来それをまねるGT-R仕様は40年に渡りハコスカスタイルの王道とされてきた。そんな往年のハコスカR仕様からの脱却を狙い、大径ホイールとスピードフォルムの新作オーバーフェンダーによる次世代のRスタイルが出現した!

【1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT Vol.1】

 ハコスカの王道で定番のGT‐R仕様。スタイリングのキーとなるオーバーフェンダーに関して、リアのみに装着するスタンダード派、レースで活躍したワークスGT‐Rと同じように前後4枚を装着するスタイルもある。さらに、オーバーフェンダー自体も、やや大きなセミワークスもあれば、一段とレーシングなワークスもあり、その何れもがまぎれもなくGT‐R仕様だ。

 一方、ホールに関しても15インチを選ぶ人もいれば、今も14インチにこだわるオーナーもいる。15インチ派が増えたのは、あくまでもタイヤサイズの選択肢によるところが大きい。ホイールサイズとボディのバランスがよいとされる15インチは、タイヤサイズにいくらかの選択の余地があり、履きこなしの自由度がある。ハコスカオーナーの支持率が一番高くなるのは必然だ。

 そんな中、ハコスカR仕様のひとつのスタイルとしてあるのが、フロントとリアでサイズを変える前後異径のセットアップだ。ハコスカR仕様では、リアにオーバーフェンダーを装着するのは必須で、必然的にタイヤハウスが大きくなり、ワイドなタイヤを履かせるのがセオリーとなる。そのため、フロント15インチ、リア16インチなどの前後異径という手法を採用するオーナーもいる。ただし、タイヤサイズはオーナーの好みなので、正解はない。


>>【画像28枚】フロントフェンダーの幅は最大値で50mm。ぼってり感のないストレートな傾斜がハコスカのバーフェンルックを洗練させるなど




フロントのタイヤサイズは205/45。黄色のレターも新しい。





後方側もプレスラインから幅が狭くなりボディに張り付く。プレスラインとフェンダーの形状がピタリとフィット。





リア用の幅はフロントの倍で最大値100mm。それに合わせてプレスラインからボトムにかけての部分もフロントよりも太くなっている。ホイールサイズは17×10J-20(+25mmスペーサー)。なお、ノーマル車は装着する際、前後ともフェンダーに加工が必要だが、すでにオーバーフェンダーを装着している場合はたいてそのまま付けられる。





リアタイヤは225/45R17。オーバーフェンダーはフーガのダークメタリックグレイで塗装。取り付け用のチタンビスは試作品。


1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT(KGC10)
SPECIFICATION 諸元
■ エクステリア:フルレストア、スピードフォルム製オーバーフェンダー(FRP)、GT-R用白ガラス/ウェザーストリップ/ライト枠/グリル/テール/エンブレム類ほかGT-R仕様
■エンジン:L28型改3.2L仕様(最高出力340ps)、WAKO specialヘッド、75Sカムシャフト、オリジナル強化バルブスプリング、専用リテーナー、強化コッター、クロモリロッカーガイド、カムホルダースペーサー、ダミーヘッドボーリング、クランクキャップOS加工、ラインボーリング、シリンダーブロックパルホスM処理、WAKO製85mmクランク/スペシャルコンロッド、ワイセコ鍛造ピストン、チタンコートリング、強化オイルポンプ、セルモーターオフセットスペーサー、メタルヘッドガスケット、強化タイミングチューン、ATIダンパーほか
■ 点火系:亀有製デスビ+MDI、リビルトダイナモ
■ 吸気系:ソレックス50PHH
■ 排気系:亀有製等長ステンタコ足、シェイプ製ワンオフチタンマフラー
■ 燃料系:BOSCH強化燃料ポンプ、アルミコレクタータンク、アルミ削り出し燃料レギュレーター、キノクニ燃料配管メッシュホース、50Lステンレス燃料タンク
■ 冷却系:3層ラジエーター、OILクーラー
■ 駆動系:R32タイプM用ミッション、亀有製クロス/強化レリーズ+ステンメッシュホース、OS技研製トリプルクラッチ、クラッチマスター交換、クイックシフト、R200デフ
■ 足回り:コモンスナッパー製カンデン車高調キット、亀有製ブッシュ
■ ブレーキ:(F)MK63キャリパー、亀有製ベンチローター、強化パッド、ステンメッシュホース、ラインロック装置 (R)強化ブレーキシュー、ブレーキマスターバッグ&シリンダー交換
■ タイヤ: ダンロップDIREZZA ZⅢ(F)205/45R17 (R)225/40R17
■ ホイール:レイズ ボルクレーシングTE37V-BR(F)17×9.5J -15 (R)17×10J -20
■ 内装:レース用ワイドミラー、GT-R純正内張り、天張り貼り替え、レカロシート×2、NISMOシートベルト×2、亀有製追加メーター(水温・油温・油圧)、燃圧計、ダッツンコンペステアリング、カロッツェリアCDユニット、BOSE製スピーカーほか



【2】に続く

初出:ノスタルジックスピード 2018年5月号 vol.016
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1971年式 日産 スカイライン HT 2000 GT(全3記事)

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text : ISAO KATSUMORI(ZOO)/勝森勇夫(ズー) photo : RYOTA-RAW SHIMIZU(FOXX BOOKS)/清水良太郎(フォックス ブックス)

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