「バンは生まれた時から個性的。自分はこれからもバンで勝負します」チューニングやカスタムをほとんど自分でこなすオーナー｜1981年式 トヨタ スターレット DX バン　Vol.3

ひと昔前までこの国にステーションワゴン的なクルマはほとんどなく、荷物を積める車種といえばバンだった。そしてその存在は商用車と決めつけられ、普通車よりもなぜか低く見られたものだ。三重県市在住のオーナーの愛車は、KP62スターレットバン。その和製ユーロなルックスと走りはとてもバンのものとは思えない。　　

【1981年式 トヨタ スターレット DX バン　Vol.3】

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　ちょっとやそっとじゃまねのできない強力なエンジン。バンであることを逆に誇りに思わせるオーナーのユーロ仕立てのKPバン。ボディカラーはヨーロッパ人が好みそうな深いグリーン、均整のとれた車高バランスも絶妙で、遮光しつつも視認性を保つ透明度の高い後部ウインドーも欧州ライクだ。当日履いていたホイールの他に3セットあって、気分によって履き替えるらしい。また、車内はブラック基調で、ユーロスポーティーなイメージ。エンジンの状態を管理する追加メーターが並ぶが自然に見せている。

　オーナーは、エンジンから足まわり、内装まで、チューニングやカスタムをほとんど自分でこなす。しかもクルマ用のガレージがなく、作業場は自宅前の路地裏というのだから驚く。



「本当にガレージが欲しいです。もっといろんなことに挑戦できるので」
　ここまでチューニングにどっぷりハマってしまっているオーナー。まだまだこのKPバンの進化は止まらないようだ。快音を響かせて走る姿は、まさかバンとは思えない勇ましさだ。

>>【画像24枚】工具一式を積んで走れるバンはいざという時も困らないのがメリット。緊急用に電磁ポンプやデスビの予備も搭載。ハヤシなのもこだわりポイントととなるスペアのホイールなど



ブラックを基調にユーロスポーティーなテイストに仕上げられたインテリア。ダッシュボードは表面のレザーが張り替えられている。






タコメータはサンペット社製。レブリミットは7600rpmに設定されているが8000rpmまで許容するらしい。OHVにしてK型は本当によく回るエンジンだ。





エンジンの状態を管理するサブメーターは左から時計、電圧、水温、油圧計の順だ。







シートはレカロのKLをレザー仕様に張り替えて装着。


OWNER’S VOICE／根っからバン好き、これからもバンにこだわる

オーナーは根っからのバン好き。初めて買ったクルマ以外は、その後のマークⅡもクラウンも、カムリもすべてバン。旧車が欲しくなったときもサニーバンと迷ったあげくKPバンを選んでいる。エンジンの直立化やキャブのダウンドラフト化など、チューニングもまだまだやりたいことがつきないオーナー。「バンは生まれた時から個性的。自分はこれからもバンで勝負します」


1981年式 トヨタ スターレット DX バン（KP62V）
SPECIFICATION 諸元
■ エクステリア:フロントスポイラー、リアフェンダー加工、オリジナルグリーン（ブラック3/イエローワン）全塗装
■エンジン:7K型換装、ポート加工、TRD KE003ラリーカム、強化バルブスプリングなど
■点火系:永井電子機器製ウルトラプラグコード/MDI
■吸気系:ソレックス40PHH、S型カールファンネル
■排気系:フジツボ製タコ足（4-2-1）、オリジナルマフラー
■燃料系:ミツバサンコーワ製電磁ポンプ
■冷却系:TE27用アルミラジエーター、アールズメッシュホース
■駆動系:K50 5速MT、TRD LSD（ファイナル3.6）
■足回り:（F）純正加工車高調（R）板バネ加工、ブロック装着、モンロー製ショック
■タイヤ:ヨコハマ ECOS　165/60R13
■ホイール:レイズ ボルクメッシュ（F）13×8J -6
（R）13×8.5J -6（カールリム仕様）
■内装:Sanpet追加メーター（タコ、水温、油圧、電圧）、コムサφ300mmステアリング、旧トヨタホーンボタン、レカロシート、TRDシフトノブなど


初出：ノスタルジックスピード 2018年5月号 vol.016
（記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）

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