DOJを新開発! 高度なメカニズムを持つスバル1000のスポーツモデル|1968年式 スバル 1000 スポーツ セダン Vol.2

独立3連メーターは、左からスピード、(トリップ&オドメーター付き)、タコメーター(6500rpmからイエロー、7000rpmからレッドゾーン)、燃料・油圧などの各種ゲージが収まる。

       
【情熱のスポーツユニット】
他人とは違うクルマに乗っている、という優越感や満足感は、旧車乗りの自己主張そのもの。
その極みとも言えるのが、スポーツ仕様のエンジン搭載車を所有することだろう。
高圧縮比、複数キャブレター、ダブルオーバーヘッドカムシャフト、5速マニュアルミッションなど、クルマ好きの心をわしづかみにする、ホットなメカニズムが組み込まれたクルマたち。
数ある中から選び出した5種類のスポーツユニットを眺めながら、ぜひ妄想をふくらませてほしい。

【1968年式 スバル 1000 スポーツ セダン Vol.2】

【1】から続く

 また、FF方式の障害となっていたドライブシャフトに関しても、画期的な対策方法を開発。東洋ベアリングとの共同開発により、伸縮可能なジョイント「DOJ(ダブル・オフセット・ジョイント)」開発。センターピボット式ステアリングの採用と相まって、それまで操舵の重さやキックバックという、クセが強かったFF車の常識を覆す、正確な操縦性と耐久性を実現。

 これらの高度なメカニズムを持つスバル1000の熱烈な愛好者から、スポーツモデルの登場が期待されていた。その期待に応えるべく、1967年10月26日から開催された「第14回東京モーターショー」に、スバル1000スポーツセダンが登場。正式発表はショー直前の10月17日だったが、会場には待ちわびたスバリストが数多く集まった。


>>【画像21枚】セミダウンドラフトCV型のミクニ製ソレックスBDS36を2個装着し、ファミリーセダンとしては異例の67psを発揮する水平対向4気筒エンジンなど



内装はスマートなブラックトーンでまとめられ、各部を木目張りにすることで独特のムードを演出。ABCペダルは、タイヤハウスの影響でやや中央寄りだ。





フロントシートは4段階にスライド、バックレストは3段階にリクライニングし、別のハンドルで微調整も可能だ。ただし、取材車は助手席がオリジナルで、運転席は別グレードのものに交換されていた。





スタンダードモデルに対し、前後のトーションバーのバネレートをアップ。フロント0.5mm、リアは1.3mm太くされ、車高は15mm低い。


1968年式 スバル 1000 スポーツ セダン(A12)
SPECIFICATION 諸元
全長 3900mm
全幅 1480mm
全高 1375mm
ホイールベース 2420mm
トレッド前/後 1225 / 1210mm
最低地上高 165mm
室内長 1700mm
室内幅 1270mm
室内高 1125mm
車両重量 705kg
乗車定員 5名
最高速度 150km / h
登坂能力tanθ 0.400
0→400加速 17.7秒(2名乗車)
最小回転半径 4.8m
エンジン型式 EA53型
エンジン種類 水冷水平対向4気筒OHV
総排気量 977cc
ボア×ストローク 72×60mm
圧縮比 10.0:1
最高出力 67ps / 6600rpm
最大トルク 8.2kg-m / 4600rpm
変速比 1速 3.540 / 2速 2.235 / 3速 1.524 / 4速 1.038 / 後退 4.100
最終減速比 4.375
燃料タンク容量 36L
ステアリング形式 ラック&ピニオン
サスペンション前/後 ウイッシュボーン式独立懸架トーションバー / トレーリングアーム独立懸架トーションバー・コイルスプリング併用
ブレーキ前/後 ディスク / リーディングトレーリング
タイヤ前後とも 145-13
発売当時価格 62万円


【3】に続く

初出:ノスタルジックヒーロー 2017年4月号 vol.180
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1968年式 スバル 1000 スポーツ セダン(全3記事)

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【1】から続く

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