543ccの排気量から64psを絞り出すリトルモンスター アルト ワークス RS-X 1

1987 年式 アルトワークス RS-X

       
1987 SUZUKI ALTO WORKS RS-X
スズキ アルト ワークス RS-X





 「アルト、47万円」のキャッチコピーで鮮烈なデビューを飾り「軽ボンバン」のブームを作った立役者でもある初代アルト。2代目アルトは、1984年10月のデビューから、3代目に代わる88年9月の約4年間、販売された。

 その間は、各自動車メーカーともに排ガス規制対策が落ち着いて、再び最高出力を競い合っていた。それは普通車だけに限った話ではなく、軽自動車でも起こっていたのである。

 2代目アルトはデビューから高性能モデルを順次追加発売していた。まず、85年9月にアルトターボを追加。続く86年7月のマイナーチェンジ時に、DOHCエンジンを搭載したツインカム12RSをラインナップに加えている。そして87年2月に「ワークス」の名を冠したアルトワークス(以下ワークス)がデビューしたのだ。

 注目すべきは新開発のF5A型エンジンで、クラス初となるDOHCインタークーラーターボで武装し、クラス最高の64psをマークしたのである。


 
運転席側のワイパーアームのみ、スポイラーが取り付けられている。高速走行を意識したアルトワークスの専用装備。

 

リアウインドーに張られている熱線は「WORKS」の文字をかたどっている。ただの飾りではなく、実際に作動して曇りをとる。



バックドアスポイラーは、ボディに沿って流れてきた空気を逆翼型断面のウイングを使ってスムーズに後方へ流し、ダウンホースを稼ぐ。

 

純正オプションのドアバイザーは、通常よりも大型でアルト共通。ウインドー開放時の風の巻き込みを積極的に抑える。



リアハッチはバンパーのすぐ上から開く。スピーカーボードとリアウインドーのブラインドはアルト共通のオプション。



SPECIFICATIONS
87年式アルト ワークス RS-X(CA72V型)
全長×全幅×全高(mm) 3195×1395×1380
ホイールベース(mm)   2175
トレッド前/後(mm)    1225/1200
最低地上高(mm)      140
車両重量(kg) 610
乗車定員       4名
最小回転半径   4.5m
エンジン型式   F5A型 
エンジン種類   直列3気筒DOHC
総排気量(cc) 543
ボア×ストローク(mm) 62×60
圧縮比  8.0:1
最高出力(ps/rpm)     64/7500
最大トルク(kg-m/rpm) 7.3/4000
変速比  1速3.818/2速2.277/3速1.521/4速1.030/5速0.903/後退4.000
最終減速比     5.133
ステアリング形式      ラック&ピニオン式
サスペンション前      マクファーソンストラット
サスペンション後      アイソレーティッド・トレーリング・リンク
ブレーキ前/後  ディスク/リーディング・トレーリング
タイヤ  145/65R13 69H(前後とも)
発売当時価格   98.5万円



掲載:ハチマルヒーロー Vol.10 ノスタルジックヒーロー2009年1月号増刊(記事中の内容はすべて掲載当時のものです)

  text:Hachimaru Hero/編集部 photo:Yuji Shimizu/清水勇治

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