「何をするにも一緒だったので、手放すつもりはありません」そして、ピンクを選んだ理由|1986年式 ホンダ シティ カブリオレ Vol.3

ピニンファリーナの息がかかった キュートなコンパクトオープン。

       
【風立ちぬオープンカー】
太陽を浴び、風を受け、四季を感じられるのはオープンカーの特権。
屋根を開ければ、いつもと違う情景や香り、音などに気付くはず。
普段は味わえない開放感や爽快感を肌で感じられるオープンカーはアナタを非日常の世界へ連れて行ってくれるだろう。

【1986年式 ホンダ シティ カブリオレ Vol.3】

【2】から続く

 このように、個性的なシティの魅力がさらに高められたカブリオレだが、そのキュートなスタイルにひと目ぼれし、28年前に新車で購入したのがオーナー。もともとは、友人が乗っていたカブリオレの可愛らしいデザインにひかれて購入したそうだが、注目したいのはボディカラー。豊富なカラーバリエーションのなかから、なぜピンクを選んだのかと聞くと、「東京の原宿で女性が乗っているのを見て、ひと目で気に入ったんです」とオーナー。

 なお、1997年に全塗装を含めたフルオーバーホールを実施。これは「パーツがなくなる前に、すべてリフレッシュしておきたかった」ということから行ったそうで、そのかいあって現在でも大きな不具合はないという。ちなみに、一緒に写っているグリークホワイト(前期)もオーナーが所有する個体で、こちらは友人が新車購入したものを数年前に譲り受けたそうだ。

 そして、28年も所有しているとたくさんの思い出が詰まっており、引っ越しの時にはタンスを積んだこともあるとか。そのようなことから、「何をするにも一緒だったので、手放すつもりはありません」と一生涯のパートナーを宣言してくれた。

>>【画像18枚】もうひとつの白い個体は、知人から譲ってもらった前期型カブリオレ。前オーナーは新車で購入しており、走行距離4万5000kmいう1台など



エンジンは、無鉛ガソリン車で初めて圧縮比「10.0」を可能にした1.2L直列4気筒のER型。ミッションによって最高出力が異なり、5速MTは67ps、3速ATは63psとなる。





骨太なオーバーヘッドバーには、ピニンファリーナのロゴが入る。ただ、もともと付いているのは下のロゴマークだけで、上の同エンブレムはアルファロメオから流用し、装着したもの。





新車状態といっても過言ではないほどキレイなモトコンポも所有。ボディサイドに開発者のサインが入っており、イベントで鈴鹿サーキットの本コースを走ったこともあるそうだ。


OWNER’S VOICE


「生まれて初めての愛車だったので、購入する時はワクワクしていましたよ」と、当時のことを話してくれたオーナー。そして、極上のモトコンポに跨がって笑顔で写真撮影に応えてくれたが、「納車の日が雨で、すぐに雨漏りしました……」と、今では笑い話になるような経験もあったそうだ。
 ただし、オーナーズクラブに入会して知り合った方々がいろいろなことを教えてくれ、こうしたトラブルにも対応してこられたという。今後も、多くの仲間とシティカブリオレを末永く楽しんでいってもらいたい。

1986年式 ホンダ シティ カブリオレ(FA)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3420×1625×1470
ホイールベース(mm)  2220
トレッド前/後(mm) 1400 / 1390
車両重量(kg)  800
エンジン型式  ER型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1231
ボア×ストローク(mm) 66.0×90.0
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 67 / 5500
最大トルク(kg-m / rpm) 10.0 / 3500
変速比 1速 2.916 / 2速 1.764 / 3速 1.181 / 4速 0.846 / 5速 0.714 / 後退 2.916
最終減速比 4.642
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク /
リーディングトレーリング
タイヤ 175 / 60R13(前後とも)
発売当時価格 138.0万円

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 ホンダ シティ カブリオレ(全3記事)

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【1】【2】から続く

text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:MAKOTO INOUE/井上 誠

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