トラバイとの6輪ライフって? トールスタイルをいち早く採用したシティ|1986年式 ホンダ シティ カブリオレ Vol.1

ボディの右エンドに装着された車名ステッカー。

       
【風立ちぬオープンカー】
太陽を浴び、風を受け、四季を感じられるのはオープンカーの特権。
屋根を開ければ、いつもと違う情景や香り、音などに気付くはず。
普段は味わえない開放感や爽快感を肌で感じられるオープンカーはアナタを非日常の世界へ連れて行ってくれるだろう。

【1986年式 ホンダ シティ カブリオレ Vol.1】

 今では軽自動車やコンパクトカーの主流となっているトールスタイル。限られたボディサイズのなかで、居住スペースを少しでも確保するために考えられたボディ形状だが、それをいち早く市販車で採用したのがシティだ。

 シティは1981年11月に登場。それまでホンダの乗用車のボトムレンジを担ってきたシビックが次第にサイズアップしたことに合わせ、その下を埋める車種として開発された。シティにはユニークな新技術やアイデアが盛り込まれ、全長は現在の軽自動車とほぼ同じ3.4mながら、1.5m近い全高により、取り回しやすさと広い室内空間を両立。さらに、新開発の軽量コンパクトな1.2Lのコンバックスエンジンにより、クラストップの燃費性能も手に入れたのだ。

 加えて、シティのトランクに積むことができるトラバイ(トランクバイク)として、「モトコンポ」を同時開発してリリース。最近のトレンドとなっている6輪ライフを、先だって取り入れたのである。このような発想は、4輪と2輪の両方を作るホンダならではのアイデアと言えるだろう。また、ラインナップも豊富で、デビュー時こそ標準車のみだったが、後にハイパワーのターボやターボⅡのほか、ハイルーフバージョンやビジネス仕様の2シーターなども登場。そのなかで、異彩を放っていたのがカブリオレである。

>>【画像18枚】ソフトトップを閉めていても、じつにキュートなスタイリングとなる軽自動車並みの全長で、真横から見ると凝縮感満点なボディなど



丸目2灯のライトが愛嬌たっぷりのフロントマスク。バンパーはターボⅡと同様のエアダムタイプだが、こちらはウレタンブラックとなり印象は大きく異なる。






オーナーいわく「あまり役に立たないのですが……」というオプションのトノカバーは、非常にレアなアイテム。写真のようなフルカバーのほか、運転席のみオープンにしたり、前席両側をオープンにすることも可能。






そのトノカバーはボディの一部に固定されており、丸めてトランクスルーからラゲッジスペースに収納できるようになっている。



1986年式 ホンダ シティ カブリオレ(FA)
SPECIFICATION 諸元
全長×全幅×全高(mm) 3420×1625×1470
ホイールベース(mm)  2220
トレッド前/後(mm) 1400 / 1390
車両重量(kg)  800
エンジン型式  ER型
エンジン種類 直列4気筒SOHC
総排気量(cc) 1231
ボア×ストローク(mm) 66.0×90.0
圧縮比 10.0:1
最高出力(ps / rpm) 67 / 5500
最大トルク(kg-m / rpm) 10.0 / 3500
変速比 1速 2.916 / 2速 1.764 / 3速 1.181 / 4速 0.846 / 5速 0.714 / 後退 2.916
最終減速比 4.642
ステアリング ラック&ピニオン
サスペンション ストラット(前後とも)
ブレーキ前/後 ベンチレーテッドディスク /
リーディングトレーリング
タイヤ 175 / 60R13(前後とも)
発売当時価格 138.0万円

【2】に続く

初出:ハチマルヒーロー 2015年 07月号 vol.30
(記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)

1986年式 ホンダ シティ カブリオレ(全3記事)

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text:Rino Creative/リノクリエイティブ photo:MAKOTO INOUE/井上 誠

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